「秘書課通じ市長が指示」 伊賀市の高額土地賃料問題 産業振興部が中心に 三重

【職員(右奥)から契約の経緯などを聞き取る百条委=伊賀市役所で】

三重県伊賀市が近鉄伊賀神戸駅付近でバスの待機スペースとして借りている土地の賃料が「高い」との指摘を受けている問題で、市議会の百条委員会(岩田佐俊委員長、8人)は16日、初の調査に着手した。大森秀俊副市長や幹部職員ら6人から、約3時間半にわたって契約の経緯などを聞き取った。産業振興部が契約の中心的な役割を担っていたことが発覚。また、同部の幹部は岡本栄市長から秘書課の職員を通じて計画を進めるよう指示を受けていたことも明らかにした。

聴取を受けたのは、大森秀俊副市長▽清水仁敏建設部長▽中井秀幸建設部理事▽山本昇建設部次長▽尾登誠産業振興部長▽東弘久産業振興部次長―の6人。中谷一彦委員(公明党)の要請で1人ずつ質問し、残りの職員は別室で待機させる形式で進行した。

大森副市長は委員らの聞き取りに「(契約当時は)参与だったので詳しく知らない」と答弁。建設部の幹部らも平成25年度まではバスの転回場用地を確保しようとしたが、駅周辺の地権者と交渉が不成立に終わって以降は「断念していた」と明かした。

産業振興部の東次長に対する聴取では、田中覚委員(無会派)が「駅周辺の道路や橋が整備されて車の流れが良くなったのに、なぜあえて待機場を設けたのか。なぜ28年度になってから、急に計画を推し進めるようになったのか」などと尋ねた。

これに対し、東次長は待機場の用地を探すよう、岡本市長から秘書課長を通じて連絡を受けたことを明らかにした。「市長は自治会や企業団から要望を受けていた。『企業誘致の面でも必要になる』として、秘書課長を通じて市長から連絡があった」と述べた。

長男が土地を所有する会社の役員だった中岡久徳市議が市と契約先の連絡役だったことについて、中谷市議は「市議との交渉にちゅうちょはなかったのか」と質問。東次長は「行政マンとしては話のしやすい人から突破口を開くのが昔からのやり方」と説明した。

また、中井建設部理事は安本美栄子委員(かがやき)の質問に対し、過去に国交省への要望で中岡市議に同席を求めたと明かした。「予算を開拓したく、お願いして来てもらった」と説明。一方、今回の契約では「中岡氏からは話を受けていない」と語った。

百条委は2月1日の次回会合で、岡本市長の指示を伝えた秘書課の担当者や計画に関わった担当者ら5人を聴取することを決定。土地の固定資産税に関する書類の提出も求めた。今後の調査では契約先の「NRKエナジー」も招致することで合意した。

問題の賃借は昨年1月から始まった。約3千平方メートルの土地を月額約36万円で借りているが、バスの利用は1日当たり数台程度。中岡久徳市議の親族が役員の会社が土地を所有したこともあり、市議会からは中岡氏による働きかけを疑う声も上がっている。