県立高校5校で越境入学違反 保護者県内居住せず

 三重県立高校5校で、保護者が県内に居住していない県外中学校出身の生徒を入学させていたことが25日、県教委への取材で分かった。いずれも北勢地域にあるスポーツ強豪校で、県教委は「県内の学生の教育機会が失われる」として各校に改善を求めた。

 県教委の調査の結果、5校の運動部員57人のうち、49人の保護者が県内に住んでいなかった。内訳は、四日市中央工業(四日市市)24人、朝明(同市)13人、四日市工業(同市)4人、菰野(菰野町)6人、いなべ総合学園(いなべ市)2人。5校ともインターハイなどの全国大会で運動部が好成績を収めている。

 県教委は、県立高校は県民の税金で運営しており、県内中学生の進路先を確保する必要があるとして、5校に改善を指導。指導を受けた朝明高校の諸岡伸校長は「各部の顧問を通じて、保護者に実態に近づける努力をしてもらうようお願いしている」と語った。

 県教委によると、毎年百数人程度の県外中学校出身者が県立高校に入学する。本年度の入学志願者では136人が県外出身者だった。県立高校の入学には、生徒と保護者の県内居住を条件とし、県外からの志願者には入試段階で、転居予定を書類で確認している。

 四日市中央工業高校の渋谷順市校長は不適切な状態で越境入学が続いてきた点について「あいまいなままやってきた結果」と説明。今後について「保護者に住民票の移動や代理人の擁立などを求め、生徒が今の制度で卒業できるようにしたい」とした。

 県教委は3月に外部から「居住規定に違反している生徒が在籍しているのではないか」との指摘を受け、5校に生徒への調査を要請。ただ、現段階で指摘のあった5校しか調べていない。今後、県外出身者を受け入れている他の県立高校にも調査の対象を広める。来年度以降の県外からの入学については「学校説明会や問い合わせの段階で、入学希望者と保護者に県内に居住する必要があることを説明するよう各学校に指導する」とした。