お客の笑顔を第一に スタッフ育成にも力注ぐ 「ヘアサロン☆GARDEN(ガーデン)」社長 丹羽雄介さん

「お客さまとスタッフの笑顔を第一に、より一層、精進していきたい」と語る丹羽さん=四日市市西松本町の「「ヘアサロン☆GARDEN」で

 四日市市西松本町のヘアサロン☆ガーデンを、平成19年に創業した。「より美しく、より魅力的に」をコンセプトとし、同22年、桑名市陽だまりの丘に2号店「☆ガーデン・NEW YORK」、同23年には四日市市富田に3号店「☆ガーデン・MINI」をオープンした。

 四日市市で、3人兄弟の次男として生まれた。「幼ないころは、おやつをめぐって兄弟げんかが絶えなかったが、外では仲良く遊んでいた」と懐かしむ。常磐小から常磐中に進み、中2から硬式テニスを始めた。

 進学した鈴鹿高校では、キャプテンとして県大会に出場し、団体戦上位入賞を果たした。体が鍛えられたことに加え、先輩後輩の上下関係を学び、試合に勝ち進む喜びを共に味わった仲間との絆が深まったことが、テニスに打ち込んだ青春時代の大きな収穫だった。

 高校卒業後は、テニスのインストラクターを目指して桑名市の体育専門学校に進んだが「やるのは楽しいが、指導者は向いていないのでは」と、心が揺れていた。そんな時、行きつけの美容室のオーナーに「美容師にならないか」と勧められた。

 その美容室で見習いとして働きながら、通信課程で美容師を目指して学び始めた。月2―3回のスクーリングで実技を教わり、シャンプー、ロット巻き、カットなどを繰り返し練習した。「将来、自分の店を持とう」という夢が、折れそうになる心を支え、23歳で美容師の資格を得た。

 県内外の美容室で6年間修業を積み、開業を決意して四日市に戻った。「何をやっても長続きしなかった子が、ようやくやりたいことを見つけてくれた」と、喜ぶ父武彦さん(76)、母千津子さん(70)は、銀行からの融資金額も見ず、保証人の印鑑を押してくれた。「ようやくスタート地点に立てた。何としても成功させる」と決意を新たにした。

 スタッフと2人でチラシを配り、近隣のマンションや家々を戸別訪問して来店を呼び掛けて回った。少しずつお客が来てくれるようになり、半年後にはスタッフを5人に増やした。3年後に2号店、その翌年には3号店を開店した。

 スタッフの技術向上はもちろん、お客の気持ちになって心遣いができる接客を指導し、「一生、飯を食っていける美容師」の育成に力を注いでいる。顧客にもスタッフにも、より居心地の良い空間づくりのため、一人一人が考えたアイデアに耳を傾け、積極的に取り入れている。

 「お出迎えから、髪型や毛質の悩みなどを聞き取るカウンセリング、施術、お見送り、アフターフォローまで、一貫してプロデュースできるのが美容師の魅力」と話す。心から気に入った表情で掛けてくれる「ありがとう」や「引っ越すので、もう通えなくなる」と、涙ぐんでくれるお客など、美容師としての喜びをかみしめる。

 地域への感謝を込めて、2週間に1度、各店周辺のごみ拾いをしている。昨年からは、休日を利用して、1カ月半ごとに桑名市の養護施設に出掛け、子どもたちのヘアカットをするようになった。楽しみに待っている子どもたちとの交流も深まっている。

 「辛抱強く見守り、後押ししてくれる両親への感謝は言葉にできないほど。お客さまとスタッフの笑顔を第一に、より一層、精進していきたい」と語った。

略歴:昭和53年生まれ。平成14年ミエ・ヘア・アーチストアカデミー通信課程修了。同年美容師免許証取得。同19年四日市美容師会入会。同年県美容業生活衛生同業組合会員。