▼おや罪になるのかい、というのが皮肉も込めての実感だ。大分県教育委員会の校長、教頭ポストの贈収賄事件である。鈴鹿市では校長百万円、教頭五十万円だと、市教育長と組んで儲けたという人の話を十五年前新聞に書いたが、それほど反応はなかった
▼「あちこちでそんな話を聞く。けしからんと思っているんだ」と、後任の教育長が言っただけである。採用試験の点数改ざんも鈴鹿市では日常茶飯事。最下位付近の得点がするする上がっていく。市長公室長作成の推薦者リストもあり、改ざん対象受験者の推薦者に「市長」とあった
▼地方公務員法は情実採用を禁じている。働きかけた側も同罪だと、解説書にある。が、そのリストには国会、県会、市会議員が名を連ね、当時県議だった川岸光男現市長もその一人だったし「知事秘書課」の名もあった
▼県人事課に見せたら「これは逃れようがない」と言った。県警にもリストを渡したと情報源が言った。「これさえあれば摘発できる」と勇んで帰ったというが、その後摘発したという話は聞かない
▼一部市民が津地検に告発した。市の人事担当者が呼び出され、テープレコーダーを懐に出頭。「情実採用がありました」と供述した。検事が「私も市長に知り合いがいるんだが」とのどかに語りかけている。「どこの市でもあることらしいじゃないですか」
▼それっきり。検察審査会に申し入れたら「取り調べ中」を理由に受理されず、時効直前に「不起訴処分」の通知が届いた。大分県は何と旧態依然かと思う半面、行政も捜査当局も、何と職務執行に誠実かと思う。 |