『ニッチ分野で世界一目指す』 第2回 株式会社中川製作所 代表取締役社長 中川雅弘氏

社長写真
【「Yes I Can」が合言葉。活字化することで情報共有を徹底する。】

世界一に絶対なる!

  そう強く語るのは株式会社中川製作所代表取締役社長の中川雅弘氏。

  同社は主に紡績針やじゅうたん織機の設計・製造、その他自動車部品や金属部品の加工などを行っている製造メーカー。 日本だけでなく、アジア・ヨーロッパ・米国など世界各国に取引先を持つ。

  じゅうたん織機と紡績針の分野においては日本で一つしかないメーカーで、世界でトップ3に入る業績を収めている。 しかし、「ずっと世界二位のままではいられない」と世界一の座に向けて闘志を燃やす。

  現在、世界の最前線で戦えるのも「逆・選択と集中」戦略が功を奏したからと同氏は言う。

  中川製作所は昭和13年創業で、紡績針に関しては創業当時から、じゅうたん織機に関しては25年前から製造を開始した。 かつてはともに国内にライバル会社が2,3社あったが現在は同社のみとなった。「ライバル会社は専業だった。 紡績針の業績が落ちれば会社の経営にそのまま響く。 一方、うちは紡績針が悪いときでもじゅうたん織機で頑張ったから生き残ってこれたのでしょう」と振り返る。

中川社長が社長に就任したのは平成19年1月。現取締役会長である千惠子氏から会社を引き継いだ。

  社長になってまず取り組んだことは「自分の思いを言うだけで終わらせるだけではなく、活字にして皆に何度も読ませる」こと。 専務時代、自分達の思いが従業員全員に伝わっていないのを何度も体験してきた。

  同社では「Yes I can」(中川スタンダート)と題し、1期ごとにみんなで一緒に取り組む目標を定めている。

  「私たちは常に1%だけ前日よりも自分を成長させます」など目標を活字化し、ポスターやバッジを製作するなどして従業員同士の情報共有化を図っている。今、同社が力を入れているのは「DLC」(Diamond Like Carbon)の研究開発と実用化。

  DLCは炭素の同素体非晶質の硬質膜のことで硬くて滑性がいいのが特徴。

  DLC研究者との出会いがきっかけで、同社で実用化に向けた研究開発を行うことになった。 DLCは化学界において非常にユニークな技術で注目され、自動車業界においても摩擦を減らし燃費を向上を見込める素材と期待されている。

  中川社長の今後の夢は「DLCを研究室の技術から工業界でがんがん使ってもらえる技術にする」。 ひいては「中小企業発信で皆様のお役に立つ製品づくりをしていくこと」。

  DLCの技術は現在、自動車業界を中心に実用化に向け、技術を採用し始めている。紡績針やじゅうたん織機と同様に、DLCも世界規模で利用される日がやってくることを期待したい。

<平成21年8月19日(水)更新>
  

企業プロフィール

企業名:株式会社中川製作所

本社所在地:津市安濃町荒木580番1号

資本金:2,600万円

設立:昭和33年

従業員数:90名

事業内容:紡績針をはじめとする繊維機械部品、じゅうたん製造機をはじめとする繊維機械、DLCの研究・開発、ステンレス(304、316L等)への精密部品加工、石英ガラス、セラミックス、樹脂に対する高精度小径微細加工、不織布のリサイクル機、食品機械、ステンレスの精密加工など



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