子育て後でも起業できる − 辻村みすづさん


【「感謝の気持ちを次の人につないでいきたい」と話す辻村代表取締役=伊勢市通町の貫じん堂で】

 「専業主婦からでも起業はできる。人生長いし、子育てしてからでも十分間に合う」と力強く話す。
 平成20年、市産業支援センターの支援を受けて「貫じん堂」を立ち上げた。当初広告業での登録だったが、現在は三重ブランド「ひのき」を使った家具の企画販売などをしている
 好奇心旺盛で、何にでも興味を持つ性格。?歳の時、遊びに行ったフリーマーケット会場の隣で開催していた市産業展に、何げなく参加したことがきっかけで起業を決意した。
 ほぼ成り行きだったが、アドバイスを受けながら起業できたことは、心強い味方となった。「同じように起業を志す仲間がいたから、心折れそうなときでも頑張れた」と振り返る。
 昨年7月には独立して事務所を構えたが、同センターで学んだ4年間は、今も自身の糧となり大きく役立っている。
 21歳で結婚してから、ずっと専業主婦として2人の息子を育ててきた。長年起業への漠然とした思いを抱いていたが、「不器用だから両立は無理なタイプ。子育てには専念したかったから、その後で何かしたいと思っていた」。
 「ママ友とのランチや子どもたちのおやつ作り、洋服作りなど、子育て中にやりたかったことは全部やってきた。だから今は、心置きなく仕事に打ち込める」と、生き生きと輝いた笑顔を見せる。
 「いろんな人にお世話になってここまできた。感謝の気持ちを次の人につないでいきたい」と一期一会を大切にしながら、第二の人生を謳歌(おうか)している。

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