三重大 心筋梗塞高めるDNA配列発見 リスク予測法の実用化目指す

【病気の発症リスクを遺伝子検査で診断するシステムの実用化を目指す山田教授=津市栗真町屋町の三重大先端科学研究支援センターで】

【病気の発症リスクを遺伝子検査で診断するシステムの実用化を目指す山田教授=津市栗真町屋町の三重大先端科学研究支援センターで】

【津】三重大学(津市)は十五日、生活習慣病である心筋梗塞の発症するリスクが、DNA配列の違いで約三倍に高まると発表した。今後、ほかの生活習慣病に関する遺伝子の研究を進め、DNA配列から病気のリスクを予測するシステムの実用化を目指すという。

 三重大先端科学研究支援センターなど四研究機関と八病院の共同研究で判明した。約一万一千人分のDNAを解析した結果、免疫細胞をコントロールする遺伝子が正しい塩基配列になっていない人は、通常の人の二・九四倍心筋梗塞を起こしやすいことが分かった。

 同センターの山田芳司教授(60)は「塩基配列が変わることで免疫細胞をコントロールする遺伝子の力が弱くなり、過剰反応した免疫細胞が血管を炎症させてしまう。その結果、血栓が形成され、心筋梗塞が発症しやすくなるのではないか」と推定した。

 同センターによると、心筋梗塞のリスクが高いDNA配列を持つ人は、全体の1・52%で人口十万人に対して千五百人。国内で心筋梗塞の発症率は人口十万人に対して八十人であることから山田教授は「1・52%という数字は決して低くはない」とした。

 山田教授は「心筋梗塞が発症する要因の40―50%は遺伝子が関与している」と説明。「病院での臨床だけでは発症する要因の半分しか分からない。残りの半分である遺伝子を解析することで、リスクを診断し、最適な予防法を患者に伝えることができる」と語った。

 今回の研究成果は米国医学誌の電子版で掲載される予定。同センターなどは、心筋梗塞以外の十二種類の生活習慣病に関する遺伝子についても研究を進めている。六日には、遺伝子を利用したリスク検出方法の特許を出願しており、実用化を目指している。

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