水源地域の保全考える 津でフォーラム 土地所有把握、必要性講演

【水源地域保全について考えるフォーラム=津市一身田上津部田の県総合文化センターで】

【水源地域保全について考えるフォーラム=津市一身田上津部田の県総合文化センターで】

 水源地域の保全について考えるフォーラムが九日、津市一身田上津部田の県総合文化センターであった。約二百九十人が来場し、東京財団研究員、吉原祥子氏の基調講演などを通じて、水源地域保全に向けた方策への理解を深めた。

 県と国土交通省の共催。今年から水源地内で土地取り引きを行う場合に、県への事前届け出が必要になる県水源地保全条例の周知と併せ、あらためて土地所有の意識を高めてもらおうと開催した。

 フォーラムでは、吉原氏が「森林の不明化の危機〜失われる国土」と題し、講演した。

 吉原氏は、日本では土地所有権が強く、農地以外で土地売買を規制する法律がないと紹介し、「土地の所有・利用実態に関する基礎情報を行政が把握しきれていない」と説明。

 経済活動のグローバル化に伴い、土地が国際的な投資対象になっていることや、人口減少による林業の担い手不足、森林の資産価値低下など時代の変化が、土地所有者の不明化に拍車を掛けていると指摘した。

 その上で、「日本の土地制度は、国内市場と過剰利用への対応が中心。グローバル化や低・未利用を想定した制度整備が必要」と訴え、不動産登記など土地の所有実態に関する情報の整理や、新たな土地所有・管理の仕組みの創出などを提言した。

 また、吉原氏をコーディネーターに、石垣英一県副知事や尾上武義大台町長ら六人による、「森と水の循環を考える〜水源地域の保全に向けて」をテーマにしたパネル討論もあった。