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2012/1/22
(日)
<まる見えリポート>県警の「少年の居場所づくり活動」 非行少年らの立ち直り支援
【「夢ケーキ作り」に参加した少年らに、パティシエを紹介する大石さん(中央)=伊勢市黒瀬町の「いせトピア」で(県警提供)】
県警は、昨年五月から非行歴のある少年や不登校の少年に職業体験や交流の場を提供する「少年の居場所づくり活動」を始めている。これまでよりも、支援の対象を幅広くし、地域の人たちの手も借りて、積極的に手を差し伸べるのが特徴だ。
(県警・五十川由夏)
県警少年課によると、平成二十二年の非行少年は、前年比百二十五人減の一千二百四人。年々減少傾向だが、再犯率は約三割に上る。
こうした状況を踏まえ、警察庁は二十二年末、非行少年を生まない社会づくりに取り組むよう全国の警察に通達。三重県警でも、「三重県版コネクションズ」として、取り組みを始めた。この取り組みが認められ、昨年には、警察庁長官賞を受賞した。
「少年の居場所づくり活動」は「コネクションズ」の一環。支援対象者を非行少年に限らず、不登校の少年やその友人などにも広げた。これまでに、海岸清掃、スポーツ交流、料理作りなど、地域の人たちの力を借りて二十一回の活動を実施し、延べ百五十二人の少年が参加した。
■ ■
「非行歴がある子どもや不登校の子どもたちと聞いて、最初はどう接すればいいのか不安でした」。そう話すのは、同活動の協力者の一人で、名張市東田原の洋菓子店「モンパクトル」社長大石成子さん。
大石さんは、以前から、子どもが描いた夢の絵を基に「夢ケーキ」として、デコレーションケーキを子どもと作る活動をしていた。昨年十月には、同課の依頼を受け、同店のパティシエ三人を率いて「夢ケーキ」を少年らと作った。
参加者の中には、不安からか母親と手を握ったまま離れない少女もいたが、ケーキ作りをするうちに、母親の手を離れ、笑顔を見せるようになった。「みんなニコニコして、いい子ばかりでした」と大石さん。「どう接すればいいか」という当初の不安は吹き飛んだ。
大石さんは「周囲との絆づくりが、少年の立ち直りにつながると思います」と、活動の意味を感じている。
■ ■
非行歴がある伊勢市の少年(18)は、活動にこれまで三回参加した。「(活動への)誘いの電話などを通じて、担当の少年補導員が、今の自分を気遣ってくれることがうれしい」と話す。
少年は中学生の頃から、窃盗や喫煙などの非行を繰り返した。「みんながやっていて、『はやり』のような感覚で窃盗をしてしまった」と振り返る。
そんな中で出会ったのが、今も交流があるベテラン少年補導員の女性だった。補導後も熱心に連絡を取り、親身になってくれる補導員を信頼することができた。今では困ったことがあれば、何でも相談する仲。少年は「本当に感謝している」という。
少年は現在、家業の手伝いをして働いている。いつか東京に出て仕事をしたいという夢もある。「今は、窃盗なんて恥だと思う。支えてきてくれた人の期待を裏切りたくない」。少年が補導員と築いた信頼関係は、揺るぎないものとなっている。
■ ■
「少年の立ち直り支援をする上で重要なのは、信頼関係だと思う」。「居場所づくり活動」を推進する同課の近藤順一少年サポートセンター副センター長も、立ち直り支援に携わった経験から、一人一人の少年と信頼関係を築くことの重要性を感じている。
一方で、支援対象となる犯罪少年と触法少年は、平成二十二年で県内一千二百人にも上り、支援するには保護者の了解が必要。全ての少年にきめ細かい支援を行き渡らせるのは難しいという課題もある。だが、同課は「粘り強く続けることに意味がある」として、少年の立ち直り支援を続けていく方針だ。
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