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今年の県議会役選は十四日に副議長候補の届け出、十五日に投票で決まる。十日から数回にわたった各派代表者会議で、常任委員会や特別委員会の各会派への正副委員長割り当ても決まり、十一日までに内定した。注目の副議長候補は、新政みえ(舟橋裕幸代表、二十四人)が最終的に舟橋氏(五期、津市選出)で一本化し、他会派へ打診。同氏と派内で副議長を争った、前田剛志氏(四期、同市)の予算決算常任委員長への就任とともに内定した。ただ、特別委の委員長ポストをめぐり、自民みらい(前野和美団長、二十一人)と友好会派の鷹山(奥野英介代表、三人)、公明(中川康洋同、二人)、みんなの党(中西勇同、一人)の少数会派間で亀裂が入り、少数会派六人で、奥野氏(二期、伊勢市)の副議長候補擁立の動きが出るなど、自民は揺さぶりをかけられた。その結果、前野氏(三期、津市)が団長から退いて四日市港管理組合議会議長候補となり、後任団長に山本勝氏(四期、桑名市・桑名郡)が決まった。新政は三谷哲央氏(五期、同)の後任代表が決まっており、来年役選への水面下での体制づくりが胎動し始めている。
(報道部長・岡原一寿)
■波紋
各派代表者会議は十日、平成二十四年度の特別委員会として、スポーツ振興対策調査と議員提出条例検証の二特別委員会の設置を決めた。少数会派グループは、三十三年の国体開催に向け、下準備に入る県の動きを審査するためのスポーツ振興調査特別委の副委員長として、みんなの党の中西氏(一期、松阪市)を予定していたが、自民の会派幹事長役・竹上真人氏(三期、同)が拒んだ。
この時の対応が、鷹山や公明、みんなに火を付けた。副議長候補になるには五人の県議の推薦がいるが、三つの少数会派がまとまれば、候補者の擁立は可能。そこで、奥野氏に白羽の矢が立ち、十一日に動きが本格化した。少数会派グループの狙いは、自民への揺さぶりで、仮に奥野氏が立った場合、自民の二十一票は新政の舟橋氏に行くのか、それとも奥野氏に行くのか、その結果次第で来年の役選での協力体制を考えるというものだった。
奥野氏の立候補は流動的だが、同グループの県議は「届け出締め切りの十四日正午まで分からない」と漏らしており、予断を許さない。副議長になるのが目的ではなく、県議会に漂う閉塞(へいそく)感打破に向け、一石を投じたいとの捨て身策なだけに、不気味ではある。損得勘定抜きの相手ほど、何をしでかすか分からないからだ。
■伏線
自民と少数グループの亀裂は、このゴールデンウイーク中に起きた。自民団長の前野氏が、鷹山の東豊氏(一期、尾鷲市・北牟婁郡)宅を訪れ、自民みらい入りを勧誘したからだった。むろん、東氏は即座に断ったが、この一本釣り劇が自民の前野・竹上両氏体制と鷹山の溝を決定的にした。
奥野氏と東氏は自民党員であるなど、鷹山は自民系会派の色合いが濃い。昨年の役選でも、議長は第一会派からとの新政の主張を葬り、自民の山本教和議長(七期、志摩市)誕生を実現させたのは、鷹山や公明などがキャスチングボートを握ったからだった。
東氏勧誘をめぐり、自民みらい内は揺れた。鷹山とのひび割れが、ひいては少数会派グループ全体との亀裂につながり、今後の協力体制に支障を来すとして、前野・竹上両氏は責任を問われた。その結果、前野氏は団長を、竹上氏は幹事長役を降りざるを得なくなり、山本氏が後任団長、中嶋年規氏(三期、志摩市)が竹上氏の後任対策委員長となった。
一方、新政は舟橋、前田両氏の戦いとなったが、舟橋氏の副議長職へのこだわりが制した。前田氏擁立派は来年の議長候補だと舟橋氏の説得に当たったが、舟橋氏側は「来年のことは分からない」と抵抗。結局、舟橋氏派が押し切った。同時に、前田氏は正副議長に次ぐ第二の要職とされる予決委員長に内定した。会派長の代表には、三谷氏が就く。
このほか、監査委員には後藤健一(新政みえ、二期、松阪市)、青木謙順(三期、自民みらい)の両氏、議運委員長は岩田隆嘉氏(四期、同、伊賀市)が、それぞれ内定した。
■2013役選
来年の役選は、山本議長の任期が切れるため、正副議長選となる。同役選への第一歩は、議長任期の二年制をどうするかだ。現在、二年制にこだわるのは五十一人の県議中、三谷氏だけといっても過言ではない。一年制に戻せば、次期県議選の二十七年まで、四つの正副議長ポストが生まれるが、二年制を維持すれば、三つでしかない。
特に問題となるのは議長職で、自民と新政両会派の四、五、七期生で、議長候補がめじろ押しだ。中には今期限りでの引退を視野に入れる県議もおり、議長職を手土産の勇退の図は、誰しもが思い描くところ。そのため、議長一年制への回帰は、大勢の思惑となっている。
もともと、県議会改革の一環として導入した二年制だが、導入時には二年を託すに足る逸材が複数いたが、現在は平均化して突出した実力者が少ない。仮に一年制に戻しても、再選を妨げないようにすれば、実質的に複数年制を維持することにつながるはずだ。「役が人をつくる」ということもあり、複数年にふさわしい議長が誕生した場合、次期議長選も立候補すれば、事は足りる。
競争論理を廃すれば、組織は停滞し、閉塞感が生まれるのは当然だ。ましてや、政争が前提の政界人が競争を廃すること自体、矛盾を内包する。全体最適で事が決した後の全体調和は民主主義の根幹だが、決定前の非競争は議員を育てない。徒競走で順位を付けない教育が、ひ弱な子どもらを生み続けているのと、どこか似ている。多様性を排除すれば、個性は埋没するしかない。きんたろう飴(あめ)になっては、当局の思うつぼだろう。
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