<40>高田本山専修寺宝物館

 2016年最初の「博学〜博物館で学ぶ〜」は、津市にある高田本山専修寺宝物館を紹介します。1月9日から16日まで、真宗高田派本山専修寺では「お七夜報恩講」が行われ、多くの参拝者でにぎわいます。その専修寺境内の北東隅に、寺宝を収蔵した宝物館があります。
 実は、三重県には国宝は4件しかありませんが、うち半分の2件が専修寺所蔵のものです。重要文化財となると、仏像や書画、文書、建築物など数百点が登録されています。2
 中でも、親鸞聖人直筆の文書は特筆すべきものです。専修寺は親鸞の直筆を日本で最も多く有する場所でもあり、研究資料としても文化財としても価値が高いものです。
 展示で見ることができるのはほんの一部に過ぎませんが、お七夜の期間、宝物館は毎日開館しています。15日までの間、13時からは宝物の説明もありますので、この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょう。
 宝物館にある文化財の内容については、伊勢新聞本紙の「博学」コーナーで紹介することとして、このページでは境内の建築物を中心に、貴重な文化財の数々を紹介しましょう。

◆国宝、重要文化財を多く有する三重県有数の寺院
 専修寺の建築物は、御影堂、如来堂(右上写真)をはじめ13件が国の重要文化財に指定されています。
 本堂にあたる御影堂は、親鸞聖人の木像が安置されているお堂です。今年3月に行われる予定の「一光三尊佛御開扉」の折には、栃木県真岡市にある本寺専修寺からお迎えした一光三尊佛が安置されます。
 御影堂と如来堂とを結ぶ「通天橋」(右下写真)という渡り廊下も重要文化財。お七夜終盤の1月15日夜には、ぼんぼりに灯りがともされ、幻想的な雰囲気を醸し出します。
 そのほか、大玄関、御対面所、賜春館などの建築物や山門、唐門、太鼓門といった門、鐘楼なども重要文化財です。御影堂・如来堂の背面に位置する庭園「安楽庵」は三重県の史跡名勝に指定されています。
   寺域全体が文化財の宝庫とでもいえますね。









◆全国で5番目に大きい木造建築
 専修寺の御影堂、如来堂は、実は非常に大きな建築物です。周囲に比較できるような建築物がないためか、間近で見ても大きさの程は分かりにくいのですが、遠くから眺めるとその大きさを実感できます。中勢バイパスから眺めると、小学校や家屋、商店などと比べてひときわ大きな屋根が見えるのが分かるでしょう(右写真)。
 日本国内にある国宝・重要文化財に指定されている木造建築を、大きい順に並べると、@東大寺大仏殿A西本願寺御影堂B知恩院御影堂C蓮華王院三十三間堂と、奈良・京都の名だたる寺院が並びますが、それに続くのがD専修寺御影堂です。あまり知られてはいませんが、専修寺御影堂は全国で5番目に大きい木造建築なのです。ちなみに次に来るのがE善光寺本堂ですから、全国の有名な建築物と肩を並べるくらいの価値あるお堂だと言えます。
 これは三重県民、津市民の誇りでしょう。もっともっと自慢して、全国にアピールしていきましょう。

※1月9日(土)付けの伊勢新聞14面で、「お七夜」に関する高田本山専修寺の特集を掲載しています。そちらもぜひご覧ください。

 次回の「博学〜博物館で学ぶ〜」は、旧長谷川邸(松阪市)を紹介します。WEBは1月16日(土)更新、新聞特集は1月17日(日)掲載予定です。

<施設案内>
高田本山専修寺宝物館
開館時間9:00〜15:00(要予約)
休館日特に定めず、入館者の志納による
観覧料 無料(体験・講座は有料、要予約

津市一身田町2819 〒514-0114
TEL 059-232-4171 FAX059-232-1414
http://www.senjuji.or.jp/sisetsu/houmotsu.php
伊勢自動車道芸濃IC、津ICから車で約15分
JR一身田駅から徒歩約5分
近鉄高田本山駅から徒歩約20分
津駅東口よりバスで約30分本山前バス停下車すぐ





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