<39>おかげ座神話の館

 2015年も残りわずか。「博学〜博物館で学ぶ〜」も今年最後の回となりました。
 三重県で初詣といったら、やはり伊勢神宮でしょうか。年末年始は大勢の参拝客が訪れて、神宮はおろか内宮前のおはらいまちやおかげ横丁は大賑わいでしょう。
 そのおかげ横丁の中に、「博物館」とまではいわないまでも、それに類似した施設があるのをご存知でしょうか。おかげ座神話の館です。日本のふるさと「伊勢」の地にて、日本に古来から伝わる神話の内容を分かりやすく伝える施設です。
 博物館施設は、年末年始は休館のところがほとんどですが、ここは年末年始も開館しています。神宮参拝、そしておはらいまちやおかげ横丁めぐりとともに、おかげ座神話の館にも立ち寄って、古事記・日本書紀が織りなす神話の世界を楽しんでください。

◆映像と紙人形でつづる神話の世界
 おかげ座神話の館は、大きく分けて「神話シアター」と「神話ドーム」の2つのステージからなっています。
 「神話シアター」は、「国生み」から「天孫降臨」までの日本神話のあらましを、アニメーションをまじえながら映像で分かりやすく紹介するコーナーです。赤福のキャラクター「赤太郎」がナレーションを務め、親しみやすく神話の世界へといざないます。
 続く「神話ドーム」は、神話シアターで紹介した場面も含め、日本神話の数あるシーンの中から7場面を選んで紹介するコーナーです。「国生み」「黄泉の国」「天照大御神」「天岩戸」「五穀の神」「八岐大蛇」の6場面は紙人形で表現していて(右写真)、同館職員による説明もあって非常に分かりやすい。最後の「倭姫命」の場面は、再び赤太郎が登場し、倭姫命の導きによって天照大御神が伊勢の地に鎮座するまでの神話を映像で紹介します。
 特に紙人形は、すべて和紙で作られていて、顔の表情や細かい描写まで再現しています。

◆神話は悠久の物語
 神話がある国は、実はそれほど多くはありません。世界には神話は11編あったとされていて、その中でも日本は、神話を現代にまで伝える珍しい国です。
 『古事記』『日本書紀』を読むと分かりますが、神話の中には神様がたくさん出てきますし、言葉も煩雑で難しく、現代人にはよく理解できません。そのような難しい神話を分かりやすくしたのが同館の内容です。たくさんある場面の中でも象徴的なシーンだけを切り取って紹介しています。
 神話は、われわれの遠い先祖が暮らしていた時代から語り継がれてきた、悠久の物語です。ぜひ体感してみてはいかがでしょう。

 次回の「博学〜博物館で学ぶ〜」は、高田本山専修寺宝物館(津市)を紹介します。WEBは1月9日(土)更新、新聞特集は1月10日(日)掲載予定です。

<施設案内>
おかげ座神話の館
開館時間10:00〜16:30(30分ごとに入場)
休館日なし
観覧料一般大人300円、小学生100円

伊勢市宇治中之切町52 〒516-8558
TEL 0596-23-8838
http://www.okageyokocho.co.jp/tenpo.php?no=57
伊勢自動車道伊勢ICから車で約5分
近鉄宇治山田駅からバスで約20分





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