<32>三重県立熊野古道センター

 秋も深まってきました。ウォーキングやハイキングなどの行楽にふさわしいシーズンとなりました。熊野古道散策に訪れる人も増えることではないでしょうか。
 そこで、今回の「博学〜博物館で学ぶ〜」は尾鷲市にある三重県立熊野古道センターを紹介しましょう。このセンターは熊野古道最大の難所・八鬼山越えの入口に位置していて、古道散策に訪れる人が多く立ち寄ります。
 この「博学WEB」と11月8日付伊勢新聞「博学」コーナーとで、熊野古道センターの魅力に迫ります。

◆古道の石畳道(?)を通って入館
 同センターの入口へ向かうには、石畳道の通路を通ります(右写真)。これはもちろん、熊野古道の石畳道を模した道です。
 この石畳道をつくるにあたって、三重県教育委員会が各峠道の実地調査を行い、モデルとなる道を3カ所選び、忠実に再現しています。そして使われている石材は、熊野尾鷲道路のトンネル掘削の際に発生した岩石を利用しています。
 再現された「熊野古道」を歩きながら坂を上って行くと、右手に熊野古道センターが見えてきます。

◆熊野の気候・自然から、文化、歴史まで幅広い展示
 展示室は、「熊野古道の自然・生活誌」「熊野詣と曼荼羅」「熊野古道を歩いた人々」「熊野の歴史」などテーマごとに分かれていて、写真、映像、模型などを通じてそれぞれ詳しい解説をしています。
 特に熊野の自然を紹介しているパネルでは、古道散策中に見ることができるであろう鳥や昆虫(チョウ、トンボ、甲虫など)、草花なども紹介されていて、古道散策の楽しみ方を提案しています。

◆多彩な企画
 ほかにも企画展は年6回、特別展は年4回開催していて、熊野古道を含めた東紀州全体の歴史や生活、文化を発信しています。現在は「雨のまち尾鷲気象物語」という企画展が開催中で、雨のまちとして知られる尾鷲における大雨のメカニズムなど詳しく解説しています(開催期間は11月23日まで)。
 講座や体験学習なども開催していますが、中でも面白いのが年7回開催する「新しい古道の歩き方」というイベントでしょう。ウォーキングイベントではありますが、熊野古道の峠道を歩くのではなく、海上の道や街中の道など、東紀州地域のさまざまな「道」を歩くイベントです。さまざまな表情を持つ熊野のまちを体感でき、新たな発見が楽しめるようです。

 次回は、一身田寺内町の館(津市)を紹介します。WEBは11月14日(土)更新、新聞特集は11月15日(日)掲載予定です。

<施設案内>
三重県立熊野古道センター
開館時間9:00〜17:00
休館日12月31日、1月1日
※メンテナンスのため休館する場合があります
観覧料無料

尾鷲市大字向井字村島12-4 〒519-3625
TEL 0597-25-2666 / FAX 0597-25-2667
http://www.kumanokodocenter.com/
紀勢自動車道尾鷲北ICから車で約10分
熊野尾鷲道路尾鷲南ICから車で約10分
JR尾鷲駅からバス・タクシーで約10分
JR大曽根浦駅から徒歩約15分





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