<29>伊賀上野城

 伊賀上野城は、昭和10(1935)年10月18日に復興築城され、ちょうど今年で80周年を迎えました。
 そこで、今回の「博学〜博物館で学ぶ〜」は伊賀上野城の紹介です。10月18日付の伊勢新聞「博学」コーナーと合わせて紹介しますので、こちらもどうぞご覧ください。特に新聞の方では、伊賀上野城の歩んできた歴史を紹介します。

◆日本一(?)の高石垣


 伊賀上野城といえば、築城の名人・藤堂高虎がその技術のすべてを集結させて築いたと言われるように、随所にその技の数々が見て取れます。その中でも有名なのが日本一ともされる高石垣でしょう(写真下)。高さ15間(約30m)を誇る、他に例を見ないほどの立派な石垣です。
 さて、「日本一ともされる」という表現をあえてしたのには理由があります。大坂城の高石垣も高虎が縄張りをしたようで、同じく15間の高さで築いたとされています。が、堀の深さと合わせると、ひょっとすると大坂城の方が高い可能性も・・・
 ということで、伊賀上野城内の高石垣の看板は「日本一・二の高さ」と表現しています(写真上)。
 この辺り、三重県人らしく、ひかえめで奥ゆかしいでしょう。









◆3層目まで登ってみれば・・・


 現在、3層の天守閣が復元されていますが、すべて木造で、1層目、2層目には藤堂家などに伝わる鎧、甲冑のほか、伊賀焼や松尾芭蕉に関する展示がされています。
 城の頂上、3層目まで登ってみると・・・窓からは伊賀盆地の景色がくっきり(写真上)。さえぎるものが何もないところですので、周囲の田園風景をきれいに見ることができます。
 そして、天井を見ると、絵画や書画で覆い尽くされています(写真下)。80年前、天守閣復興を祝う有名人たちが絵画や書を提供し、それを飾ったものです。中には横山大観や高浜虚子、近衛文麿といった美術界、政界で有名な方々の作品もあります。
 伊賀上野城復興に尽力した、伊賀上野出身の政治家・川崎克氏の友人・知人から寄せられたもので、氏の交友の深さがうかがい知れます。もちろん川崎克氏本人の水墨画もあります。ぜひ伊賀上野城に出かけて見つけてみましょう。

 次回は、だんじり会館(伊賀市)を紹介します。WEBは10月24日(土)更新、新聞特集は10月25日(日)掲載予定です。




<施設案内>
伊賀上野城
開館時間9:00〜17:00
休館日12月29日〜31日
観覧料 一般大人500円、小人200円
団体大人400円、小人150円(30人以上)

伊賀市上野丸之内106 〒518-0873
TEL/FAX0595-21-3148
http://www.ict.ne.jp/~uenojyo/
名阪国道上野東ICより車で約5分
伊賀鉄道上野市駅より徒歩約5分





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