<26>伊勢志摩国立公園 横山ビジターセンター

 伊勢志摩サミット開催決定を記念して、9月の1ヵ月間は志摩市にある博物館を紹介してきましたが、それも今回で最終回。今回は横山ビジターセンターの紹介です。
 伊勢志摩国立公園の魅力を伝え、訪れる方々により自然に親しんでもらうことを目指して平成11(1999)年に開館したものです。英虞湾や志摩半島の絶景を眺めることができる横山展望台(右写真)の上り口にあって、非常に多くの方が来訪します。とりわけサミット開催が決定して以降、来訪者もかなり増えているようです。
 このページ「博学WEB」と9月27日付伊勢新聞「博学〜博物館で学ぶ〜」コーナーとで、伊勢志摩国立公園とは何か、伊勢志摩国立公園が発信するメッセージ、という大きなテーマを論じてみたい。

◆伊勢志摩国立公園とは
 国立公園は全国で32ヵ所指定されています。北海道の知床や大雪山、富士箱根伊豆、屋久島など、そうそうたる大自然ばかりで、その中の一つに伊勢志摩も数えられているのです。
 伊勢志摩国立公園は昭和21(1946)年11月20日、国内13番目の国立公園として指定を受けました。戦後初の指定です。来年平成28(2016)年は国立公園指定70周年となります。
 指定を受けているのは、伊勢市・鳥羽市・志摩市・南伊勢町にまたがる、陸域約55,544ha、海域19,100haもの広大な範囲です。リアス式の複雑な海岸を有するのが特徴で、英虞湾や五ヶ所湾など風光明媚な海岸風景を楽しむことができます。1年を通して温暖で、指定区域内には常緑樹が茂り、1年中美しい緑を形成しています。

◆伊勢志摩サミットで発信すべき文化
 伊勢志摩国立公園は、美しい自然が残されているというだけではありません。
 指定範囲の中に伊勢神宮も含まれています。伊勢神宮の美しい森。常緑樹が茂る伊勢志摩地域の中にあって、唯一針葉樹(ヒノキなど)が深い森を形成する独特な空間をなしています。もちろん人の手によって植えられたもので、人間が長い間行ってきた営みの結果築かれた美しい緑です。
 人の手が加えられたきれいな自然、というのは他の国立公園にはないものでしょう。
 さらにいうと、他の国立公園は人間の生活域とは隔絶されたところがほとんどですが、伊勢志摩国立公園は域内に約10万人もの人が暮らす、自然と人が共生してきた唯一の国立公園です。特に鳥羽市や志摩市は、市の全域が国立公園にすっぽりと入っています。市街地も国立公園に含まれているのは他に例がありません。
 自然と人が調和して生きてきた地・伊勢志摩。これこそ伊勢志摩サミットを機に堂々と発信すべき伊勢志摩の文化ではないでしょうか。

 次回は、式年遷宮記念 せんぐう館を紹介します。WEBは10月3日(土)更新、新聞特集は10月4日(日)掲載予定です。

<施設案内>
伊勢志摩国立公 横山ビジターセンター
開館時間9:00〜16:30
休館日火曜日(祝日の場合翌日)、年末年始
観覧料無料

志摩市阿児町鵜方875-24 〒517-0501
TEL 0599-44-0567 / FAX 0599-46-0701
http://www.yokoyama-vc.jp/
伊勢自動車道伊勢西ICより車で約1時間
第二伊勢道路白木ICより車で約30分





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