<24>安乗埼灯台資料館/大王埼灯台ミュージアム

 今回は一風変わった博物館を紹介しましょう。志摩市シリーズ第2弾は、安乗埼灯台資料館と大王埼灯台ミュージアムの2館の紹介です。いずれも灯台近くにある小さな資料館です。しかも安乗埼の方は終日無人で、入るとちょっとびっくりします。
 灯台は、海上交通でとても重要な役割を果たすものですが、景観が美しい場所に建っていることもあり、観光資源としても期待されます。
 このページ「博学WEB」と9月13日(日)付けの伊勢新聞「博学」コーナーで、そのあたりを詳しく紹介しましょう。ぜひ灯台を訪れて、資料館で学び、灯台に登って海の絶景を楽しみましょう。

◆新たな観光資源として期待。登れる灯台
 全国に数多くの灯台がありますが、上まで登れる灯台はわずか15基しかありません。しかもそのうちの2基が志摩市にあるのです。安乗埼灯台と大王埼灯台。いずれも200円の入館料が必要ですが、上まで登るのをおすすめします。
 何と言っても灯台の上はさえぎるものが何もありませんので、海からの心地よい風を受けながら、見渡す限りのオーシャンビューを楽しむには絶好のポイントでしょう(右写真)。
 灯台は新たな観光資源として期待できそうです。

◆安乗崎から大王崎は海の事故多発地帯
 安乗崎から大王崎にかけての海域は岩礁が多く、古くから海上交通の難所として知られていました。安乗埼灯台、大王埼灯台いずれも眼下の海を眺めると、岩場に波が激しくぶつかって岩しぶきをあげているのがよく分かるでしょう(右写真)。暗礁(海面下の岩場)も多く、船が乗り上げる危険性があり、海上交通が発達した近世以降事故が多く発生しました。
 安乗崎沖では、薩摩藩の船が暗礁に乗り上げて沈没したり、また明治後は日本初の駆逐艦「春雨」が難破して多数の死者を出す惨事がありました。大王崎沖では、大正2年にサンマ漁船が遭難して51名の死者を出す事故が発生したり、大正6年には3,000トンの巡洋艦「音羽」が大王崎に激突する事故が起こりました。
 この両地に灯台が建設されたのは、航行する船に危険を知らせる必要性があったからなのです。

◆灯台の知識を分かりやすく
 安乗埼灯台資料館も大王埼灯台ミュージアムも、それぞれの灯台の解説もありますが、むしろ灯台全般にわたっての説明が多く、灯台全般について勉強するのにふさわしい資料館と言えるでしょう。
 特に大王埼灯台ミュージアムは、光を遠くまで届ける「フレネルレンズ」の原理などをパネルや模型を使って分かりやすく紹介していて(右写真)、まるで小さな科学館のようです。さまざまな色の光を使って船に指示を出すことで船を安全に導くなど、灯台が果たす重要な役割も学ぶことができます。
 どちらの資料館も小さな資料館ですが、学ぶことの多い、知識のつまった資料館です。

   次回は、大山玉宝美術館(志摩市)を紹介します。WEBは9月19日(土)更新、新聞特集は9月20日(日)掲載予定です。

<施設案内>
安乗埼灯台資料館
休館日年中無休
観覧料 無料

志摩市阿児町安乗小山794-1 〒517-0507
TEL0599-47-5622
三交バス「安乗中学校前」バス停より徒歩約20分
伊勢自動車道伊勢西ICより車で約1時間



大王埼灯台ミュージアム
休館日年中無休
観覧料 無料

志摩市大王町波切城山54 〒517-0603
TEL0599-72-1899 br> 三交バス「大王崎灯台」バス停より徒歩約5分
伊勢自動車道伊勢西ICより車で約1時間





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