<16>志摩マリンランド

 第16回目の「博学〜博物館で学ぶ〜」は、志摩マリンランドです。
 来年伊勢志摩サミットが開催される賢島にある水族館です。開催決定以来客足も増えているとか。
 この水族館は昭和45年に開業し、ことしで開館45年を迎えました。筆者も幼稚園の時に来たことがあり、非常に懐かしいところです。同じように、幼稚園や保育園の遠足などで訪れた方も多いことではないでしょうか。
 このページ「博学WEB」では、志摩マリンランドの展示の中から「マンボウ」「古代魚」にしぼって解説します。
 19日(日)付け伊勢新聞「博学」コーナーでは、開館以来45年間1度も途絶えたことのない「海女によるエサやり実演」など、志摩マリンランドの魅力を詳しく解説します。

◆マンボウの泳ぐ水族館
 志摩マリンランドは「マンボウの泳ぐ水族館」を掲げています。のどかに泳ぐ姿が人気で、この姿に癒やされる人が多いのではないでしょうか。
 同水族館の出口に近いところに「マンボウ館」があって、3匹のマンボウが泳いでいます。いつ見てものどかに泳いでいます。
 マンボウは、温帯・熱帯の海に生息していて、日本の太平洋側では一般的に観測できる魚です。日本近海には毎年春先に黒潮に乗って南から泳いできます。三重県沖に来るときには60〜70cmくらいの体長になっていて、三陸沖までたどり着く頃には1mくらいの大きさになっているそうです。

 三重県の志摩市から紀州地域にかけて、マンボウを食べる習慣があります。定置網にかかることも多いのですが、鮮度が落ちるのが早いため、現地でほとんど消費され流通で出回ることはありません。

◆「生きている化石」と本物の化石を比べると
 志摩マリンランドの隠れた魅力は「古代水族館」の存在でしょう。
 この水族館のコンセプトが「過去から現在までの海の生き物たちの姿を紹介すること」であり、古いものでは魚の化石が展示してあります。こういう水族館はなかなかないでしょう。
 しかもここの水族館は、「生きている化石」つまり古い時代から形を変えずに現在まで残った魚と、その化石を並べて展示していて、それを対比できるようになっているのです。

 たとえばオウムガイ。アンモナイトと同じ仲間の生物で、もとをたどると同じ祖先になるようです。約4億年前にはどちらも生息していたようですが、アンモナイトは卵や幼生が小さく、しかも浮遊生活をしていたため、その後の環境変化に対応できずに絶滅しました。一方オウムガイは現在も姿をほとんど変えずに残っています。志摩マリンランドでは、化石のアンモナイトと「生きている化石」オウムガイが並んで展示されています。
 ほかにも肺魚やガーなど、「生きている化石」4種類が水槽で飼育展示されていて、そのかたわらに化石が展示されています。「生きている化石」本物の化石を見て比べられて、非常に楽しいですね。

 次回は、日本サンショウウオセンター(名張市)を紹介します。WEBは7月25日(土)更新、新聞特集は7月26日(日)掲載予定です。



<施設案内>
志摩マリンランド
開館時間9:00〜17:00(7〜8月は9:00〜17:30)
休館日年中無休
観覧料 個人大人1,300円
中・高生800円
小学生600円
幼児300円
団体割引ほかあり

志摩市阿児町神明賢島723-1 〒517-0502
TEL 0599-43-1225 FAX0599-43-1224
http://www.kintetsu.co.jp/leisure/shimamarine/
近鉄賢島駅下車徒歩約2分
伊勢自動車道 伊勢ICまたは伊勢西ICから車で約40分
第二伊勢道路 鳥羽白木ICから車で約20分





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