<13>東海道日永郷土資料館(四日市市)

 第13回目の「博学〜博物館で学ぶ〜」は、前回に引き続き四日市あすなろう鉄道沿線にある博物館を紹介して、東海道の魅力を紹介しましょう。今回は追分駅、泊駅から歩いて約5分のところにある東海道日永郷土資料館です。
 この資料館は前回紹介したうつべ町かど博物館と同じで、地元の人たちによる手作りの資料館です。日永郷土史研究会の皆さんが長年調査・研究してきた成果であり、この資料館の設立は同会の長年の悲願でした。
 資料館の展示内容については28日付の伊勢新聞「博学」特集をご覧ください。このページ「博学WEB」では、資料館周辺の東海道の見どころを紹介します。ぜひ四日市あすなろう鉄道に乗って東海道を味わってみてください。

◆「日永の追分」は現役の追分!?
 東海道日永郷土資料館のやや南に「日永の追分」(右写真)があります。江戸から京都へ向かう東海道と、伊勢神宮へ向かう伊勢街道の分岐点にあたっていました。そこに伊勢神宮に向かって遥拝所が設けられ、鳥居が建っています。桑名七里の渡しの「一の鳥居」に次いで「二の鳥居」と呼ばれています。
 全国的に東海道に関連する史跡はほとんどが姿を消しているのに対して、この日永の追分はしっかりと形をとどめている、大変貴重なものです。ばかりか、現在も追分(分岐点)の役目をも果たしています。写真でいうと、右に向かえば東海道。京都に向かいます。左方向に向かうと伊勢方面。今も多くの車が通っていて、追分として機能しています。
 かつては人が歩き、現在は車が走る。日永の追分は、江戸時代以来400年もの間、人やモノ、情報の往来をずっと見つめ続けてきたことでしょう。

◆お寺や神社が多く残る東海道
 東海道日永郷土資料館から東海道を北に歩いてみましょう。
 資料館のすぐ前を東海道が通っています。そのまままっすぐ細い道を通ると四日市の旧宿場に通じます。この道沿いは古い寺や神社など見どころがいくつもあります。
 光明寺、西唱寺、実蓮寺、日永神社、両聖寺、興正寺、円楽寺、大聖院、大宮神明社と多くの寺社が並びます。中には戦時中戦禍に見舞われた寺社もありますが、形状は比較的よく残っています。
 「日永つんつく踊り」で有名な両聖寺、織田信長、滝川一益ゆかりの興正寺(右写真)など、歴史が古く由緒のある寺もあり、お寺巡りをするだけでも楽しめそうです。寺めぐりが好きな人にはたまらないコースです。
 道中には、「名残の一本松」(左写真)や「日永の一里塚跡」(右写真)もあります。名残の一本松は、東海道があった当時に植えられていたもので、当時の面影を残す数少ない史跡の1つです。日永の一里塚は、民家の間に挟まれるようにひっそりと記念碑が建っています。見つけられるでしょうか?
 この東海道は、細い道ながら車の通行量がかなりあります。裏道としても使われているようですので、みなさん気をつけて散策を楽しんでください。



 次回は、鳥羽水族館を紹介します。WEBは7月4日(土)更新、新聞特集は7月5日(日)掲載予定です。

<施設案内>
東海道日永郷土資料館
開館時間9:00〜16:00
開館日毎週水・土・日曜日、祝日
観覧料 無料

四日市市泊町13-13 〒510-0884
TEL 059-346-0647
四日市あすなろう鉄道追分駅下車徒歩約5分
四日市あすなろう鉄道泊駅下車徒歩約5分
四日市駅から車で約10分





[戻る]      [トップ]      [ホーム]