<8>関宿旅籠玉屋歴史資料館・関まちなみ資料館

 旧東海道47番目の宿場町・関宿は、江戸時代のまちなみがきれいに残っているところです。
 旧東海道は江戸日本橋と京都三条大橋を結ぶ大動脈でしたが、後に国道1号となったためほとんどの宿場町で当時の面影は消えていきました。そんな中、関宿は唯一歴史的まちなみが保存されたところです。約1.8kmの範囲に約200軒の古い建物が残り、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。
 その関宿で、6月に東の追分・一の鳥居の建て替えが行われます。
 そこで第8回目の「博学」は、関宿のまちなみの中にある関宿旅籠玉屋歴史資料館と関まちなみ資料館の2館を紹介します。旅籠玉屋歴史資料館は江戸時代の旅籠を、まちなみ資料館は江戸時代の民家をそれぞれ資料館にしたもので、展示物は少ないですが、建物だけでも見る価値はあります。入場券は2館セットになっています。
 江戸時代の旅籠、町屋の様子は24日(日)付の伊勢新聞「博学」コーナーで紹介します。
 このページでは両資料館に見る関宿の歴史と、これから行われる一の鳥居の建て替えについて紹介したいと思います。

◆関宿の歴史をひもとく
 「関」という地名が示しているように、この地には関所がありました。鈴鹿関です。不破関(岐阜県関ケ原町)、愛発関(福井県敦賀市)と並ぶ古代三関の1つで、現在の関宿あたりにあったと推定されています。都のあった畿内から鈴鹿峠を越えて伊勢国に入る最初の地点でもあり、この地は古くから交通の要衝でした。
 この地に宿場町が形成されたのはいつかはっきりとしていませんが、室町時代半ばにはあったと考えられています。江戸時代になって東海道の宿駅制度が確立し、関宿として整備されました。この宿場は、西は大和街道と接し(西の追分)、東は伊勢街道と分岐する(東の追分)ところで、わずか1.8kmですが様々な方向から人々が行き来し、大いににぎわったようです。

◆桑名と関で行われる一の鳥居建て替えとは
 ここで、これから行われる「一の鳥居の建て替え」について紹介したいと思います。
 江戸時代には全国各地からお伊勢参りに訪れる人が増えました。江戸から伊勢をめざす場合、伊勢国に入る最初の地が桑名の七里の渡し場でした。また大坂や京都方面から来る場合、伊勢国に入る最初の地は関でした(正確には坂下宿)。その地に伊勢神宮を遥拝するために建てられたのが「一の鳥居」です。
 明治以降、伊勢神宮式年遷宮が行われるたびに一の鳥居も建て替えられてきました。遷宮で内宮宇治橋の内側・外側に架かる2体の大鳥居も新しく建て替えられるため、その旧材を桑名と関に移して新たに建て替えてきました。
 5月30日には関宿・東の追分で、5月31日には桑名・七里の渡し場で一の鳥居に使う御用材のお木曳があり、6月6日に関で、6月7日に桑名で一の鳥居の竣工式があります。
 これから一の鳥居として20年間の役目を務めることとなるのです。

◆ゆっくり歩いて歴史的情緒を味わって
 関宿は、歴史的なまちなみがきれいに残っていますので、ゆっくり歩いて見て回ることをおすすめします。お食事処や和菓子屋、カフェはもちろん、銀行、郵便局、商店、個人宅にいたるまで、江戸情緒ある木造の建物を基調としていて、江戸時代にタイムスリップしたような感覚になります。もちろんその裏には地元の方々の並々ならぬ苦労や熱意があってこそですが、そんなまちなみをゆっくり歩いて見て回ると楽しいです。
 近くの国道1号沿いに道の駅関宿がありますので、そこに車を停めて歩いて回るのが一番いいでしょう。

 次回は、斎宮歴史博物館(明和町)を紹介します。WEBは5月30日(土)更新、新聞は5月31日(日)掲載予定です。

<施設案内>


関宿旅籠玉屋歴史資料館
〒519-1112 亀山市関町中町444-1
TEL 0595-96-0468
FAX 0595-96-0469

関まちなみ資料館
〒519-1112 亀山市関町中町482
TEL 0595-96-2404

JR関駅から徒歩で約10分
道の駅関宿から徒歩約10分
名阪国道関IC、伊勢自動車道伊勢関ICから車で約5分


開館時間9:00〜16:30
休館日月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
観覧料2館共通
大人一般300円 団体250円
小・中・高生 一般200円 団体150円





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