<1>三重県総合博物館MieMu(上)

 第1回目の「博学(ハクガク)」は、もうすぐ開館1周年を迎える三重県総合博物館MieMu(みえむ)を取り上げます。「総合博物館」というように、豊かな自然や歴史・民俗など、三重県のありとあらゆることを総合的に学べる施設となっています。常設展示にあたる「基本展示室」は、地学、自然、人文・歴史、暮らしの4つのコーナーで成り立っています。4月5日付け伊勢新聞朝刊では、地学と自然に焦点を当てた特集を紹介しますので、詳しくは5日の伊勢新聞をご覧ください。

 ここでは、三重県総合博物館の地学、自然の展示からちょっと面白い話題を紹介します。

◆博物館敷地からもミエゾウ発見!
 この博物館の一番の目玉は、皆さんご存知、シンボルともなっている「ミエゾウ」(右写真)です。基本展示室前でわれわれを出迎えるかのように立っています。約430〜300万年前に生息したと考えられていて、現在のゾウやマンモスよりも大きいのが特徴です。展示されている標本も、体高3.6m、全長7.6mとかなり大きい。
 化石は県内で13ヵ所から発見されています。実はこの博物館の建設工事の際もミエゾウと思われる足跡が見つかったのです。博物館の敷地は大量の化石が発見されたところでもあり、その中にミエゾウのものと思われる足跡も発見されました。

◆自分の住むまちの岩石は見つかるかな?
 博物館の裏(東側)に広がる交流の広場では、「石のベンチ」というちょっと変わったベンチがあります(右写真)。これは三重県内の各地から集めた石でつくったベンチです。写真は津市美杉町の溶結凝灰岩でつくられたものです。そのほか菰野石(鈴鹿花崗岩)や藤原岳の石灰岩など、さまざまな種類の石のベンチがあって、三重の岩石に触れながら学べるようになっています。
 もう一つ、「河原の階段」というのもあります。それぞれの段に、三重県内各地で集めた川原石を敷き詰めてあるものです。
 4月5日の紙面特集でも取り上げますが、三重県、いや日本列島全体を形作っている岩盤構造は多様で複雑なので、各地で地質構造がさまざまで異なります。場所によって見られる岩石は全く違います。三重県総合博物館に出かけて、自分の住むまちの岩や石を見つけに行ってみましょう。自分の住むまちの岩石は見つかるかな?

◆自生していた樹木も展示物に?
 同じく博物館の裏に、一部木々が生い茂っているところがあります。博物館を建設する敷地に里山が残っていたところで、その一角をそのまま保存して観察できるようにしたところです。「アベマキの林」「シイの林」として散策路も整備されていて、野鳥や昆虫、植物を観察するのにいい場所となっています。
 開発から運よく残された自然も展示物にした、三重県総合博物館の知られざる見どころと言えますね。

<施設案内>
三重県総合博物館 MieMu
開館時間 展示エリア 平日9:00〜17:00、土・日・祝日9:00〜19:00
交流創造エリア(無料エリア) 9:00〜19:00
休館日月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始ほか
観覧料 基本展示室    一般510円、学生300円
            団体一般400円、団体学生240円
            高校生以下無料
年間パスポート 一般1,640円、学生1,020円
ほか企画展示期間中は、別途観覧料あり

津市一身田上津部田3060 〒514-0061
TEL059-228-2283 FAX059-229-8310
JR・近鉄・伊勢鉄道津駅西口から徒歩約25分
三重交通バス総合文化センター停留所下車すぐ





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