2019年5月25日(土)

▼風薫る5月である。草木の中をさわやかにわたる初夏の風の中でちょっとひと眠りしたい季節だが、今年は少々、様子が違う

▼環境省が21日、初夏から夏にかけての熱中症対策に、日傘の活用を呼びかけた。特に男性が帽子をかぶった場合と比べて、汗の量が約17%減る。クールビズと併用すれば熱ストレスは約20%低減できるという

▼百貨店や洋傘の団体と連携して運動を推進するそうで、津市のショッピングセンターでもすでに「男性日傘」コーナーが設けられている。週末の気温は30度を超えることが予測されている。その中で、大山田南小(桑名市)の児童7人が校外学習後に熱中症の疑いで病院に救急搬送されたというのは極めて残念な事態だった

▼休憩や水分補給はしたが「児童が暑さ慣れしていない」ために起きたと校長。今後は体調、条件に考慮して実施するという。ぜひそう願いたいが、何となく不可抗力だったと言っているように聞こえたのは気のせいか

▼気温26度で熱中症の注意報も警報も出ていないが、それらの発令基準は児童を対象にはしていない。熱中症予防マニュアルは地域条件や高、低学年別など、同小ならではのものが策定され、訓練されていたのだろうか

▼東日本大震災で多くの犠牲者を出した大川小を巡る訴訟で、仙台高裁は役に立たなかった危機管理マニュアルや市のハザードマップに基づき予見不可能とする市側の主張を一蹴し、それらの信頼性を検討しておくべきだったと判示した

▼マニュアルとは、そういうものだろう。市側は、科学的根拠に欠けると上告した。