「ほぼ黒塗り」状態の公文書、「開示が妥当」と審査会答申 三重県は開示の是非再検討

学識経験者や弁護士でつくる三重県情報公開・個人情報保護審査会(会長・高橋秀治三重大教授、8人)は17日、県が情報公開請求に対して「ほぼ黒塗り」にして開示した公文書の一部について「開示が妥当」とする答申を公表した。開示しなかった理由の説明に「不備があった」とする意見も添付。県は答申を受けて開示の是非を再検討する。「今後は十分な説明にも努めたい」としている。

答申などによると、情報公開請求があったのは、県地方卸売市場(松阪市)で卸売業務をするために必要な許可を求めて業者が提出した申請書など。平成28年から新たに一社が卸売業務の許可を受けたことから、個人が昨年10月に開示を求めたという。

県は昨年11月、この申請書について「開示すれば法人の正当な利益を害する」として、申請書に記載された業者の売り上げ見込みや事業計画など、ほとんどの情報を非開示とすることを決定。開示しない理由の説明も、根拠とした条例の明示にとどめた。

これに対し、個人は「市場の健全性を保つことを目的に知ろうとした事柄は公共性が高い」とし、審査会に判断の妥当性を検討するよう要請。審査会による聞き取りなどでは「県は保有している公文書を明確にせず、説明もしなかった」と訴えたという。

審査会は答申で、県が非開示とした情報のうち、業者が取り扱う野菜や果実の品目、産地などは「法人の利益を害するとは認められない」とし、開示が妥当と判断。一方、業者の経営に関する情報や申請の経緯については、非開示とした県の判断を妥当とした。

また、審査会は答申に添付した意見書で、非開示を決めた場合の説明について「条例上の根拠を示すだけでは足りない。法人の利益をどのように害するかを具体的に明示すべき」とし、県の説明に「不備があったと言わざるを得ない」と指摘した。

非開示を決定した農産物安全・流通課は「基本的には答申に沿って公表する考えだが、法人の利益を害する可能性がないかを再び検討した上で判断したい」と説明。非開示とした情報には、誤って黒塗りにしていた部分があることも明らかにした。

また、審査会が指摘した「説明の不備」について、情報公開課は「重く受け止めている。非開示を決めた場合には、その理由を請求者に対して十分に説明するよう、情報公開請求の担当者を対象とした研修会などで呼び掛けたい」としている。