津 三重歴史研究会講演会 三石氏が熊野信仰解説

【熊野古道について講演する三石氏=津市羽所町のアスト津で】

【津】歴史愛好家や研究者で作る三重歴史研究会(山口精彦会長、会員47人)は12日、津市羽所町のアスト津で講演会を開き、みえ熊野学研究会運営委員長の三石学氏(63)=熊野市久生屋町=が「世界遺産熊野古道と熊野信仰」と題して講演。三石氏は「熊野の自然信仰は伊勢神宮の信仰とは対極」と述べ、熊野の歴史や風土に根差した信仰を解説した。

三石氏は、1500万年前の火山爆発に由来する紀伊半島の地形や地質、巨岩や滝を祭る自然信仰から仏教伝来後の変遷、熊野古道の世界遺産登録に至る経緯などを地図や写真と共に紹介。伊勢神宮が稲作を中心にした弥生的信仰なのに対し、熊野は「土着の神様が祭られる縄文的な信仰」とし、「仏教伝来後の観音信仰が結びつき今の熊野信仰になった」と解説した。

熊野古道の発掘調査で土に埋もれていた馬越峠の石畳を15年かけ掘り起こした当時を振り返り「世界遺産登録15年は隔世の感がある。地元の人が『熊野には世界遺産がある』と胸を張れるようになったことが一番の成果」と述べた。

講演会は同団体の総会に併せて開き会員と一般参加者計約60人が聴講。津市中河原の原田昭子さん(75)は「熊野の信仰について初めて知りすごいと感じた。獅子岩を見に行きたくなった」と感想を話した。