2019年5月13日(月)

▼大津市の交差点で8日午前10時15分ごろ、衝突した軽自動車が保育園児の列に突っ込んで2歳の男女2人が死亡した。現場が大混乱をしている時、鈴木英敬知事は定例記者会見に臨んでいた。子どもの数が減少したことについて「重く受け止めています」

▼事故の報告は届いていなかったのだろう。昨年6月の大阪北部地震で登校中の小4女児がブロック塀の下敷きになって死亡した時は、ブロック塀の一斉点検が指示された。県内の県立高校33校のうち31校に問題があり、3年に1回の法定点検が抜け穴だらけで何の安全確認にもなっていなかったことが分かったが、ともあれ県外の大事件事故に際して県内でも点検するのがお決まりだが、今回は表立った動きがみられない

▼道路の白線さえ、全部は無理で優先順位を決めている財源不足。カードレールまで手を付けたら収拾がつかなくなるか。通学路などの危険箇所は、大津市も優先してカードレールを敷設していたが、今回のような問題のない交差点で運転ミスが起こり、はじかれた車がお散歩中の保育園児の列に突っ込むとはと担当者が頭を抱えていた

▼だからこそ、対策は急がねばなるまい。園児のお散歩の行列はよく見かける。連休明けはバスで近くの運動公園に来た大勢の園児らでにぎわったが、多くは歩道のない県の道を保育士が引率する。神経の休まる間があるまい

▼「もう限界です」と言って、明るく見えた孫の通う保育園の保育士が先日辞めた。「また―」と娘ら、母親仲間がうなずき合ったという。負担の軽減は人数ばかりの話ではない。