津市長選、前葉氏3選 2期連続で無投票

【無投票で当選した前葉市長=津市大門で】

【津】任期満了(25日)に伴う三重県の津市長選が14日告示され、現職の前葉泰幸氏(57)=東丸之内=が届け出た。前葉氏のほかに立候補の届け出はなく、2期連続で無投票での当選が決まった。市長選が2期連続で無投票となるのは、津市では初めて。

市長選では自民、公明、立憲民主、国民民主の4党や旧民進系の地域政党「三重民主連合」のほか約430団体が前葉氏を推薦。共産党は立候補者の擁立を断念した。

前葉氏は立候補の届け出が締め切られた同日午後5時過ぎ、津市大門の津観音に集まった支持者ら約300人(主催者発表)と万歳三唱して当選の喜びを分かち合った。「後援会が応援してくださり、なんの憂いもなく自分の思う選挙準備ができた」と感謝した。

3期目に向けて「地域の皆さんからいただいた声を受け止め、身の引き締まる思いでしっかり務めたい」と意気込み、待機児童の解消や放課後児童クラブの整備に取り組むと強調。「子どもたちを一丁目一番地に据え、子どもたちのための政策を進める」と述べた。

2期連続で無投票となったことについて報道陣に問われると「おごることなく謙虚に受け止める」としつつ「選挙戦を通じて市民の意見を聞くことはできなかったが、出馬前から地域懇談会などで市民の声を聞いてきた」とアピールした。

祝福に駆け付けた鈴木英敬知事は「県としても、県都津市との連携はさまざまな場面で重要。選挙はゴールではなくスタートなので、新たな時代に向かって県民に結果を示すため、県と市で手を携えたい」と力を込めた。

前葉氏は同日午前9時半、同じ津観音で出陣式に臨み、支持者ら約千人(主催者発表)を前に第一声。選挙カーで合併前の旧10市町村全てを回り、遊説した。

■解説 ― 審判なし、より一層謙虚に■
初めて2期連続で無投票となった津市長選。現職の前葉泰幸氏は推薦団体を前回から百団体ほど増やすなど盤石の体制で選挙に臨み、付け入る隙を与えなかった。2度も有権者からの審判を逃れたからこそ、3期目はより一層謙虚な姿勢が求められる。

前葉氏には各政党からの推薦が決まる前から、医師会や自治会など幅広い団体からの推薦が続々と集まっていた。前葉氏は「マイナス評価につながることはしていないはず」と2期目の実績に自信をのぞかせる。

2期目の間に市内37カ所で地域懇談会を222回実施し、地域住民からの意見を聞く機会を持った。懇談会を通じて「対話と連携を進め、市政に対してさまざまな要望を聞いてきた」と胸を張る。

その一方で、18―19歳の有権者が市長選に参加する初めての機会が失われた。若い有権者をはじめ、地域懇談会では聞こえて来ない声もある。周囲の声だけでなく、声なき声に耳を傾ける必要がある。