三重県知事選 得票率、平成最高89% 年齢など〝敵失〟指摘も

任期満了(20日)に伴う三重県知事選で3選を果たした鈴木英敬氏(44)の得票率は89・69%と、2期目を決めた前回の得票率を4・01ポイント上回った。史上3番目に高く、平成に入ってからの知事選としては最高。2期8年に対する評価や3期目への期待が表れたとみられる。一方、対抗馬の年齢や推薦が共産だけという事情から「〝敵失〟による得票率では」と指摘する声も上がる。

県選管によると、鈴木英敬氏は平成の知事選として最も高かった4年前の得票率を自ら更新した。歴代知事選で最も高い得票率は、青木理氏が2期目を決めた昭和26年の93・51%。田中覚氏が2期目を決めた34年の93・07%が2番目に高い。

一方、対抗馬で元玉城町議の新人、鈴木加奈子氏(79)の得票率は10・30%にとどまった。再選を目指す現職と共産推薦の新人が対決する構図が同じだった前回選挙から減少。陣営からは「20%は行けたら」という声も上がっていたが、及ばなかった。

鈴木英敬氏の陣営は、得票率に満足そうだ。自民党県連の水谷隆副会長は8日の記者会見で「最も目指していたのは得票率(の上昇)。目標は90%だった」と明かした。目標には及ばなかったものの「非常に高く一応は目標を達成した」と語った。

得票率の上昇は鈴木英敬氏にとって追い風となることは間違いないが、陣営の実力だけで得票率が伸びたというわけではなさそう。鈴木英敬氏の3選を伝える報道に対し、インターネット上では「相手が弱い」「結果は見えていた」との投稿が続出している。

理由の一つに上がるのが対抗馬の年齢だ。鈴木英敬氏は今回まで全国最年少知事だったのと対照的に、鈴木加奈子氏は79歳。鈴木英敬氏の応援演説に立った後援会幹部から「在任中に80歳を迎えるそうだ」と指摘されるなど、付け入る隙を与えた。

訴えが広がりに欠けたことも否めない。鈴木加奈子氏は国保料や消費税率の引き下げなどを掲げて対立軸を鮮明にしたが、いずれも一般的に国政選挙で取り扱われるテーマ。「安倍一強」とされる中での「安倍政権批判」も支持拡大にはつながらなかった。

与野党が相乗りで推薦した鈴木英敬氏に対し、鈴木加奈子氏は共産党だけだったという事情もある。共産党は7日の県議選でも2人が落選。党県委員会の大嶽隆司委員長は記者会見で「候補者選定でも個人の魅力をより重視していく必要がある」と語った。

一方、旧民進党系の議員らでつくる三重民主連合は候補者の擁立や推薦をしない「不戦敗」を喫した。三谷哲央幹事長は記者会見で「県議選や今夏の参院選を戦っていく中では、今の力量からすれば知事選の候補者を擁立する余力がなかった」と述べた。