現金横領や紛失相次ぐ JA伊勢、総額279万円 職員懲戒解雇 三重

【現金の横領や紛失が発覚したJA伊勢=度会町大野木で】

三重県の伊勢農業協同組合(JA伊勢)の紀北支店(紀北町海山)で昨年、窓口担当の男性職員(46)が客から預かるなどした179万円の現金を横領したとして、懲戒解雇処分を受けていたことが29日、JA伊勢への取材で分かった。また、南島支店(南伊勢町村山)では店内に保管した現金のうち100万円を紛失していたことも判明。JA伊勢は「いずれも現金の管理がずさんで利用者に申し訳ない」と話している。

JA伊勢によると、元職員は平成29年9月から30年5月までの間、個人事業主から窓口で受け取った現金の一部など、計170万円を横領。28年3月には、共済保険利用者の保険料に対する利息9万円を横領した。

預金の残高を見て不審に思った客が指摘したのをきっかけに発覚。元職員はJA伊勢の聞き取りに「酒やたばこ代に充てた」などと横領を認めた。既に全額を弁済している。JA伊勢は昨年7月11日付で元職員を懲戒解雇処分としたが、刑事告訴はしない方針。

また、南島支店では30年7月17日の業務終了後、支店内で保管している現金を確認したところ、帳簿に記載された金額より100万円少ないことが分かった。直前の営業日だった13日の時点では、帳簿の記載と実際の現金は一致していたという。

JA伊勢は「勤務時間中に盗まれた」と判断し、昨年12月に窃盗容疑で伊勢署に被害届を提出。防犯カメラの映像などから「外部からの侵入で盗まれた可能性は低い」とみている。当時支店に在籍していた10人のうち、支店長を含む6人を降格や減給処分とし、8人を異動させた。

JA伊勢は2月にも、約105万8千円の現金を横領したとして、南島支店の女性パート従業員(58)を懲戒解雇処分としていた。被害者が多いことなどから、この女性を業務上横領罪で刑事告訴する方針。

JA伊勢は不祥事を受け、監査部の人員を増やし、支店などを監督指導する部署を設ける。4月からJA鳥羽志摩、JA三重南紀と合併するため、JA伊勢の冨嶋泰博管理部長は「鳥羽志摩や南紀の利用者にも不安を与えて申し訳ない。信頼回復に全力を尽くす」と話した。