入札で事務ミス相次ぐ 三重県、虚偽説明で中止

【記者会見で、事務処理のミスを発表する藤田副所長(左)ら=三重県庁で】

三重県は12日、児童相談センター(津市一身田大古曽)が発注した清掃業務の入札で、事務処理のミスが相次いだと発表した。本来は電子システムだけで受け付ける入札の質問に電話で回答したほか、落札が確定していない段階で落札候補者名を他の入札参加者に伝えた。さらに、事務処理の誤りを理由に中止した入札について「仕様書を見直す必要がある」などと虚偽の説明をしていた。県は作業を担当した課長補佐級の40代男性ら複数の職員を処分する方針。

県によると、事務処理を誤ったのは、北勢児童相談所(四日市市泊村)の清掃業務や一般廃棄物の処理を受託する業者を決める一般競争入札。1月31日に公告し、複数の業者が入札した。

入札の説明書は、公平性を保つために電子システムに限って入札の質問を受け付けると明記しているが、センターの男性職員は開札前の2月6日、業者から受けた質問に対して電話で回答したという。

この質問は自社の落札資格を問う内容だった。男性職員は落札の資格がある旨の回答をしたが、開札後に資格がないと判明。担当者は他の業者からの質問に対しても、公表していない落札候補者名を伝えた。

さらに、センターは入札を中止した理由について「入札事務に誤りがあった」とすべきところを「仕様書を見直す必要がある」と電子入札システムに掲載。入札に参加した業者にも同様の説明をした。

センターを所管する県子ども福祉部が事態を把握したのは、入札が中止された2月19日の3日後。センターを通じて業者から苦情を受けたことをきっかけに調査し、一連のミスが発覚したという。

男性職員は県の聞き取りに「業者からの問い合わせが電話だったので、つい答えてしまった。入札参加資格に思い込みがあり、回答の内容も誤った。不手際を重ねて申し訳ない」と話したという。

県は「担当者が入札のルールを十分に理解しないまま事務を進めていたことに加え、誤りに気付いた後もセンターが十分に検討しないまま作業を進めていたことがミスの原因」と説明している。

一方、入札を中止した理由に虚偽の説明をしていたことについて、県は「仕様書の見直しについて検討していたことも事実で、事務処理のミスを隠蔽(いんぺい)するために虚偽の説明をしたわけではない」としている。

◆解説◆組織的隠蔽か

事務処理のミスや不祥事が相次ぐ県で、また新たな問題が発覚した。看過できないのが、入札の中止に対する虚偽の説明。県は認めないが、事務処理ミスの発覚を免れるための隠蔽(いんぺい)と言わざるを得ない。

「虚偽の説明」は事務を誤った職員だけでなく、児童相談センターで勤務する幹部らも加わっていた。「入札の中止に当たり、相談して決めた結果」だそうだが、もはや「組織的隠蔽」との批判も免れない。

記者会見では、記者から「なぜ隠蔽だと認めないのか」と追及の声が飛んだ。県の担当者は「確かに隠蔽と言われても仕方がない」としつつも「実際に仕様書を見直した」ことを根拠に隠蔽とは認めなかった。

見直しの内容は「清掃業務と廃棄物処理を分けて発注した方が良いか」だというが、それだけが理由なら果たして入札を中止しただろうか。会見で尋ねたが、センターの藤田耕治副所長は口をつぐんだ。

業者から苦情を受けるまで、センターが本庁に一切の連絡をしていなかったことも〝隠蔽体質〟をにおわせる。県民の不安は「関係機関との連携」が問われる児童虐待の対応にも及ぶだろう。