残土規制条例制定に着手 三重県知事、11月県議会に提出へ

【定例記者会見で、建設残土の条例を制定する考えを示す鈴木知事=三重県庁で】

三重県の尾鷲市や紀北町などに県外から大量の建設残土が搬入されている問題で、鈴木英敬知事は11日の定例記者会見で、搬入を規制する条例の制定に着手する考えを示した。県の環境審議会に諮問し、11月の県議会に条例案を提出する予定。来年4月の施行を目指す。一度は「直ちに制定する必要はない」と判断した方針を転換した理由について、鈴木知事は「原点に立ち返り、住民の不安払拭を大切にした」と述べた。

条例を巡っては、伊賀市のNPO法人が複数回にわたって制定を要望し、県議会も平成27年に同法人の請願を採択したが、県は「法律で対応できるため、直ちに制定する必要はない」と説明してきた。

一方、鈴木知事は1月18日に紀北町の現場を視察して「条例の必要性を再検討する」と表明。県内の全市町や同様の条例がある他府県に聞き取った上で「条例に一定の抑止効果がある」と判断した。

県の聞き取りに対し、県内の十市町が建設残土に「課題がある」と返答。尾鷲市と紀北町以外でも小規模な投棄が確認された。市町の担当者からは「農地を埋め立てる名目で搬入されている」との声があった。

県によると、23府県に同様の条例があり、うち20府県が指導に従わない場合などの罰則を定める。県は規制の方法や罰則の必要性を検討する予定。搬入の届け出を義務付けることなどを想定している。

鈴木知事は会見で「県民の不安を払拭するため、また大規模プロジェクトによる県内への搬入も予想されることから、未然防止の視点も含めて実効性のある条例の制定が必要という結論に至った」と述べた。

条例の必要性に対する判断を転換した理由については「顕在化している案件は個別法の規制で対応できるかもしれないが、調査を続ける中で、それだけでは住民の不安を払拭できないと強く感じた」と語った。