訪問先での津波想定 看護師ら避難マップ作り 津で研修 三重

【地図上に避難経路を記入する参加者=津市観音寺町で】

東日本大震災の発生から11日で8年を迎えるのを前に、三重県看護協会は10日、津市観音寺町東浦の看護研修会館で、訪問看護師の津波避難をテーマにした災害対策の研修会を開いた。愛知県立大学看護学部の清水宣明教授(危機管理学)が講師を務め、訪問看護師一人一人の活動範囲に応じた津波避難マップの作り方を紹介した。

県内全域から訪問看護師約80人が参加。清水教授は伊勢、松阪、津市など、地区別の地図を参加者に配布し、避難の手順を説明した。地区ごとの津波到達時間を紹介した上で「実際に避難に使える時間は、到達予測から10―15分引いた時間を目安にすべき」と指摘した。

さらに、清水教授は津波の到達予測時間などを基に、訪問看護師の移動可能距離を割り出す計算式を紹介。「浸水圏から脱出できない場合は近くの建物に避難して。精神論で『とにかく遠くへ逃げろ』ではなく、具体的な判断基準を持ってほしい」と呼び掛けた。

自分だけの津波避難マップを作ろうと、参加者は担当地区で被災したことを想定し、地図上に避難経路を複数書き込んだ。移動可能距離を計算し、定規で線を記入した。

参加者からは「利用者宅で被災した場合はどうすればよいのか」といった質問が出た。清水教授は「医療者は救助隊ではないので患者をどこまで支援するか、その線引きをしておくべき。感情論で判断すると共倒れになりかねない」と指摘した。

訪問看護ステーション「まごのて」(伊勢市浦口四丁)の小粥まさ子管理者(58)は「災害時は道路の寸断も考えられるので、普段仕事で使っている道だけでなく、複数のルートを把握しておく必要を感じた。患者をどこまで支援するかは方針を検討していかないといけない」と語った。