2019年3月9日(土)

▼願ったりかなったり、と言っては語弊があるが、県教委が「県いじめ防止基本方針」の改定で、アンケートなどの情報元は保護者から求められても開示しないと定めた。隠ぺい体質の教育委員会、というのは、いじめ自殺があった学校の教育委員会という一般論だが、非開示はくれぐれも虐待に限定していただきたい

▼「開示」という問題に消極的な県教委の姿勢は越境入学や障害者雇用率の水増し問題などで散々見せつけられてきた。その結果、理由が「前を向くことが大切」という建前論か、なし崩しに黙認、見逃してきたことで処分者を拡大したくないためか、不透明になった

▼本気で再発防止を考えているか疑念は消えない。「被害生徒及び保護者が周囲に知られることを心配している」「被害生徒への配慮を最優先に考え」「家族の強い要望をご理解いただきたい」は、女子生徒へのセクハラで懲戒免職処分になった中学教師の実名、校名はむろん年齢、地域も公表しない廣田恵子県教育長の説明

▼「公表すると被害生徒がいじめにあう可能性がある」「バレたら当人の成長に関わる」「子どもの家庭環境にも…」「三学期でもうすぐ終わりだから」「複数の教員で見張るので」―というのは、小学生女児を膝の上に座らせたり抱きついたり「大好き」などと言う担任教諭が公表も処分もされずに退職していったことへの親や取材に対する鈴鹿市教委の答えだ

▼何だか似ている気がしないか。実務上で区分けはほとんどできまい。昨夏、市教委は保護者を対象にセクハラのアンケート調査をしたが結果の発表はない。