タクシー会社立てこもり、社長が陳謝 組合書記長の容疑者告訴示唆

【立てこもり事件を受けて記者会見する長野社長=県庁で】

津市乙部の三交タクシーにカッターナイフを持って立てこもったとして、同社の運転手で労働組合書記長の村本智之容疑者(53)が建造物侵入の疑いで逮捕された事件で、同社の長野成司社長は8日、県庁で記者会見し、村本容疑者を建造物侵入罪と威力業務妨害罪で津署に告訴する考えを示した。一方、組合が反発している津市内からの事業撤退は、予定通りに進める方針を示した。

記者会見は同社側が申し入れた。長野社長は「多くの方に心配を掛けて誠に申し訳ない」と陳謝し、村上容疑者を「身勝手な行為で信頼を傷つけたことは容認できない」と批判。既に建造物侵入容疑と威力業務妨害容疑で津署に被害届を提出したことも明かした。

組合との交渉は「犯行のあった前日は夕刻から8時間にわたって交渉し、それ以前も必要に応じて交渉してきた。きょうも予定している」などと真摯(しんし)に対応している姿勢を示しつつも「会社と組合の主張に隔たりが大きく、合意には至っていない」と述べた。

津営業所の廃止については「一昨年の秋頃から収支が悪化している状況で、雇用や賃金を維持するため、限られた経営資源を生産性の高い地域に集約する。お客さまに迷惑を掛け、従業員に通勤の負担を強いるが、危機を脱しなければ全社に及ぶ」と語った。

同社は津営業所(津市)を3月10日付で廃止し、本社を四日市市に移転する。運転手らは四日市営業所(同市)などに異動させる予定。村上容疑者は同署の調べに「会社と労働組合の交渉でもめていて自殺してやろうと思った」と話しているという。