2019年2月20日(水)

▼シャープ亀山工場の外国人労働者雇い止め問題で救済を求めている三重一般労働組合(ユニオンみえ)が四たび、県に支援を申し入れた

▼昨年12月には鈴木英敬知事が直接面談。「多文化共生社会を目指す県にとって、多くの外国人が活躍する場が失われたことは非常に残念。一刻も早く再就職できるよう全力を尽くす」と精いっぱいのリップサービスをした。組合側は「会社の話を鵜呑みにしていて危機感が弱い」としながらも、三重労働局との連絡会議を開き、就労への合同出張相談会開催などを決めたことに「一定の評価はしている」と語っていた

▼その相談会が問題ありだという。会場で渡された求人情報が応募締め切りを過ぎていて「外国人労働者をさらに傷付け、尊厳を奪うような行為」になったというのだ。世界で残酷といわれる罰にギリシア神ゼウスがシーシュポスに課した山頂への大岩運びがある。運び終えると岩は転がり落ち、延々押し上げねばならない

▼仏教説話にも、親より先に死んだ小児が賽の河原で父母供養の石を積む話がある。仕上げると鬼が蹴倒し、泣きながらまた積む。成し遂げたと思った瞬間無に帰されることは心に深刻なダメージを与えるという認識は、洋の東西を問わない

▼国と県との相談会で励まされ、紹介された求人先を希望を胸に訪ねたら門前払いされる。まるで外国人研修制度だと言っては言い過ぎだが、二次被害、三次被害を与えたことに国、県は気づいているのだろうか

▼不適切な事務処理が収まらず、コンプライアンス懇談会を発足させたところで…では済まない。