児童生徒アンケート保護へ 三重県教委、いじめ防止基本方針の追記検討

【記者会見で、いじめ防止基本方針の追記を検討する考えを示す廣田教育長=県庁で】

千葉県野田市の小学4年栗原心愛さん(10)が自宅で死亡した事件を受け、三重県の廣田恵子教育長は8日の定例記者会見で、いじめの対応を定めた「県いじめ防止基本方針」に児童生徒のアンケートを保護する文言の追記を検討する考えを示した。アンケートの開示を求める威圧的な言動への対処などを盛り込むとみられる。一方、廣田教育長は野田市の問題発覚以前に策定した基本方針の改定案を、同日の教育委員会定例会に提出。委員らは追記を検討する廣田教育長の意向を踏まえ、改定案の議決を保留する異例の対応を取った。

県教委は昨年8月、県いじめ防止条例の施行などを受けて基本方針の改定作業に着手。関係機関でつくる「いじめ問題対策連絡協議会」などとの協議を経て、今年1月に改定案が完成した。

一方、改定は「いじめの定義」に関する項目が中心で、アンケートの項目は基本方針を策定した平成26年1月当時のまま。アンケートの取り扱いは「プライバシーに配慮するよう促す」とするにとどまる。

廣田教育長は同日の教育委員会定例会に改定案を提出しつつ、野田市教委が父親の威圧的な言動に屈してアンケートを開示した問題の発覚が改定案の策定後だったことから「もう少し書き込みたい」と述べた。

廣田教育長の意向を踏まえ、4人の教育委員らは全会一致で改定案の議決を見送った。委員からは「子どもを守るため、組織としてどうあるべきかを原点に返って考えるべき」との声が上がったという。

県教委はアンケートの開示を求める威圧的な言動があった場合の対応や姿勢を検討する方針。追記の必要があると判断すれば、3月7日に開く次回の教育委員会定例会に修正案を提出するという。

廣田教育長は会見で、野田市教委がアンケート結果を父親に開示したことについて「絶対にしてはならないと(教職員ら)全員が認識しているはず。威圧的な行為に屈してはならない」と述べた。

栗原さんが「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」と回答したのも、いじめのアンケートだった。いじめを受けているかの質問には「はい」、相手は「かぞく」と書いたという。