2019年2月7日(木)

▼県と三重労働局がシャープ亀山工場から雇い止めされた外国人対象に開いた「合同出張相談会」。訪れたのは地元亀山市で8人、お隣鈴鹿市で19人だった。「県内で求職活動中の」という条件とはいえ、雇い止め総数3千人はむろん、県がシャープから報告を受けた750人に比べても、その差はあまりにも大きい

▼驚くことはないのかもしれない。県が三重労働局からの情報で、シャープから事情を聞いたのが昨年3月。「500人削減計画」なるものを示されたが、雇い止めはそれ以前に始まっていたのだから約1年を経ての「相談会」である。当てにしてたら干上がってしまうという人がほとんどだったのではないか

▼当てにしてもらうつもりもなかったことは、7月に2度目の聞き取りをして250人の追加報告を受け、シャープに雇い止め労働者に丁寧な説明と就職支援を要請して終わりにしていたことで分かる。シャープは一昨年3月にも、多気町の三重工場の外国人労働者50人を雇い止めにし、裁判沙汰になった。企業体質は承知で県も「要請」しお茶を濁したのだろう

▼雇い止め3千人の報道を受け「対応が十分ではなかった。実態把握に努めたい」と語った鈴木英敬知事だが、村上亘雇用経済部長は「県に調査権限があるわけでもない」と同社に調査依頼する考えを示し、結果は約4千人の離職者のうち雇い止めは約700人で残りは自己都合。調査は自分らのやりやすい方法で、というのは厚労省ばかりではない

▼住宅支援に県が準備した県営住宅が11戸。相談人数は織り込み済みだったに違いない。