2019年1月25日(金)

▼「道半ばの諸課題も多々あると認識している」というのは鈴木英敬知事の3選出馬表明の言葉。防災・減災対策はあらためて「初心を貫き」「仕上げやさらなる進化のために全力投球すべき時」。どっこい、防災・減災対策も「道半ば」であることをまざまざと見せつけたのは、はしか騒動での対応だ

▼集団感染の原因である研修会の主催者名を「個人情報」として公表しなかったことについては賛否もあろうが、公表の規定が県にはなく、これから担当課と議論を始めるというのでは、おやおやという気にならぬか。大災害や事故での個人情報の取り扱いは個人情報保護法成立直後から問題となり、例外を定めた改正法も施行され、条例でより明確にしている自治体もある。県は無関心だったということか

▼公表を控えた「集団感染の予防と名称の公表は無関係」という理由が、そのせいか、まことにお粗末だ。宗教団体の研修会参加者から15人の患者が発生して二次感染者が出るまでわずか4日。その間、毎日新たな患者が出るたび、参加者以外への感染拡大は確認されていないと言い続けた

▼当初、名前の公表に否定的だったという宗教団体が自らホームページで公表し陳謝した理由は分からぬが、二次感染で拡大し続けることに恐れをなしたか、感染源を特定することで関係各位がそれぞれ自己防衛してほしいと願ったか。県が名前を公表したのは、その後である

▼JR福知山線の脱線事故で、家族からの安否確認への対応で、医療現場が混乱したのは平成17年。県の時間は13年間、止まったままと言えようか。