2019年1月18日(金)

▼特別支援学校長の旅費不正受給や、高校教諭の万引逮捕を受け、廣田恵子県教育長が陳謝したが、「不祥事のたびに原因を調べたり校長会で訓示したりしていたが、こうなっている」。思わずニヤリとしたのは、訓示した校長会のメンバーが不正を働いたからではない

▼PTA会費を横領した元小学校長に退職金返納命令を出した記憶は新しい。「職員を管理監督し、服務規律の厳正な確保を行う校長のあるまじき行為が起こった」というほどの衝撃が県民にあるかどうか。おかしかったのは「不祥事のたびに原因を調べた」のくだり。解明に努めたと言わんばかりだからだ

▼例えば越境入学問題。知事の指示がなければ、通報を受けた5校だけの調査で幕引きするつもりだった。保護者の県内就業証明書作成のための県内企業を教諭らが紹介していたが、廣田教育長は「一つ一つたぐるようなことはしない」と調査打ち切りを宣告。就業の有無は闇に葬ってしまった

▼「教員個人より組織の責任が問われるべき」とも。みんなで渡れば怖くないということだろう。例えば、障害者雇用率水増し問題。2年分だけの調査方針だったが、やはり知事の指示で過去を調べ直し、法定雇用率を一度も達成していないなどが白日にさらされた

▼廣田教育長は、過去を調査しない理由を「前向きな姿勢で臨みたい」。前向き、すなわち再発防止策をもって、過去にフタをしたいと言ったのではなかったか

▼「根本的なところで根絶しないといけない」は同感。で、「根本的」とは、と聞いたらまた何かおもしろいことを言うかもしれない。