2018年12月22日(土)

▼全国体力調査で、小中学校男女の全ての種目別平均点が過去最高となり、小学校男子、中学校男女は全国平均を上回った。慶賀すべし。このところ原因の話になるとよそ事にしがちだった県教委も「平成27年度から休み時間にマラソンや縄跳びなどの運動を学校ごとに実施してきた成果が出た」

▼学校体育は教育の一環。授業としてやるものと思っていたが、休み時間を利用しているらしい。部活動の過剰な練習時間を非難できないのではないか

▼中高生時代は部活動に熱中し、弁当は授業時間、休み時間は体育館で運動に明け暮れ、休み時間に勉強している友人を冷笑した。学校から運動を奨励されたら我が意を得たりだったろうが、社会に出て運動会は苦痛の日だったという投書を読んだことがある。休み時間の過ごし方は人それぞれで、学校が口だしすべきことかどうか

▼東京五輪・パラリンピックが決まって以来、スポーツ報道の過熱ぶりにはいささか食傷気味。県はさらに国体の話題が加わる。報道関係紙誌にはスポーツ報道の充実がうたわれ、事前の手厚い取材がひと味違う読み物を掲載できるなどが強調される。評論家大宅壮一が美談ジャーナリズムと批判したのは昭和30年代だが、今やスポーツ報道がそうではないか

▼鈴木英敬知事は「2年後の全国中学校体育大会や3年後の三重とこわか国体で活躍できるよう体力向上に取り組む」。政策目標として異論はないが、リオ五輪はいわゆるゆとり世代が活躍した。スポーツにレジャーに学問―小中学生には休み時間ぐらい好きにさせてやりたい気がする。