紀州藩主に御前講義 宣長、重文資料展示 松阪の記念館 三重

【宣長が書いた紀州藩主御前講義の見取り図。18畳敷の広間を挟んで徳川治宝(上部)と宣長(下部)が座る】

【松阪】三重県松阪市殿町の本居宣長記念館は4日、冬の企画展「君のめぐみ―宣長と和歌山」を始めた。紀州徳川家に召し抱えられた宣長と紀州藩との関わりに注目している。会期は来年3月3日まで。入館料は大人400円。

宣長は松阪在住のままでの仕官を認められ、和歌山へ三度出向き、藩主徳川治宝らに古典を講義した。「古事記伝」完成時に治宝が書いた題字など重要文化財39点を含む84点を展示する。

宣長が書いた御前講義の見取り図があり、18畳敷の広間を隔てて治宝が座っている。同館は「講義を行いながら、部屋の間取りや役人たちの配置、ふすまや壁の装飾までしっかりと観察していたことがわかります」と説明している。

初出品の白子の門人にあてた手紙では、政治経済の問題点と政策を説いた「玉くしげ」の紀州藩や加賀藩への献上に触れ、松平定信のお目にかけたいと申し入れがあったなどと記している。同館は「宣長の著作に対する世間の注目の高さがうかがえます」と解説している。

展示説明会は12月15日、1月19日、2月16日のいずれも午前11時から。無料。