2018年11月26日(月)

▼8年後の国際博覧会が大阪に決まり、関係者らの喜びは地に足がつかないほど。関西圏浮揚を共に喜びたいが、同地での開催が55年ぶりで、日本としては愛知万博以来13年ぶりという解説に複雑な思いがしないでもない

▼平成2年の大阪での国際花と緑の博覧会はどうなるのか、という気がしてしまうのである。県の世界祝祭博覧会が万博に名乗りを上げているころで、視察団を繰り出したからだ。万博はテーマが広範囲の一般博と一つに絞った特別博があり、大阪万博は前者で花博は後者だが、愛知万博も立候補し、行方は不透明だった

▼もともとリゾート法認定地区の地域振興狙いで、当初は「パールフェスティバル」の名。女性向きだという指摘でまつり博に変わった。それならいっそ万博を、という安直な経緯で走り出していた。そのため開催予定が6年へと、5年ほど延期されている

▼結局断念するのだが、理由が5年の万博事務局の開催凍結、いわゆるモラトリアム決議。博覧会が国内外ブームの状態で、新時代の方向を示すとの趣旨も低迷気味。16年末まで様子を見ることになり、花博を終えたばかりの日本は特に分が悪いという説明だった

▼現実は、決議やルール変更の批准遅れで争奪戦に突入。愛知も特別博として競争に加わり、モラトリアム解除の17年開催を決めた。のち一般博(現・登録博)へと変更された唯一の万博で、位置づけの表記は大阪万博と異なる

▼だからどうしたという話ではないが、まつり博の万博昇格で盛り上がったあのころの県と、尻切れトンボ感がよみがえるのである。