2018年11月13日(火)

▼鈴木英敬知事2期目の任期満了まで半年を切った10月末の記者会見では、心境を聞かれ「一つ一つ成果を残す」。来春の知事選へは「まだ考えていない」。取り付く島がない。この8日の会見も、結論はほぼ同じだが「毎回同じで申し訳ないんですけど」の前置きを付けた

▼10月の会見直前の報道機関と県3役との懇親会では、最初のあいさつで任期に関すること以外で率直な意見交換をしようと呼びかけ「任期のことだけは答えませんから」。気はいいのである。その3カ月前の県幹部との懇親会では歴代知事の態度表明の時期について雄弁だった

▼田川亮三、北川正恭、野呂昭彦の3人の前元知事は12月議会なのだという。田川元知事の場合は最後はそうだが、それ以前は9月議会という記憶もあるのだが、記憶違いかも知れないし、この際どうでもいい。鈴木知事は12月議会が「知事の進退表明の時」と考えているのだなと思ったのである

▼この8日の会見では歴代知事の表明時期を踏まえた質問もあったが、表明するのは表明する中身があるからで「まだまだ今全然考えている状態にはない」とけむに巻きながら「表明の時期などについては申し上げることはないと思います」と結論づける前に「まあどうでしょうかね」の言葉を入れた

▼やはり気はいいのだろう。障害者雇用率の誤りなどの信頼回復で頭がいっぱいというのが知事の表向きの言い分だが、県の基盤を築いて出処進退の場に臨むのも、歴代知事の手法だった。10年先の産業政策の方針「みえ産業振興ビジョン」がそうだとして、何の不思議もない。