2018年10月27日(土)

▼2215人で過去最高となった不登校について「中学1年時に増えるため、小学校から中学校に移った環境の変化に課題」と県教委生徒指導課。そうに違いなかろうが、前年度比84人増加の説明ではない。前年度も110人の増加だった。学校での居場所づくりやスクールカウンセラーなど、対策を進めた効果がいま一だったのはなぜか

▼前年度の学年別不登校数で、最も多かったのは中3の578人。本年度も21人増の最多で599人。1年生は23人増の399人。「中学1年時に増える」と言い切れるかどうか。今回の「今後の方針」は説明通り「小中学校連携」を新たに加えたが、中3問題は解決したのだろうか

▼「中1対策」と「中3問題」は、どちらも不登校対策とはいえ狙いが真逆に違いない。「要因」についても前年度は小中ともに「無気力」がトップだった。本年度は「不安」と「無気力」に分かれたが、校内の無気力対策を強化したはずの評価や成果が判然とせぬまま「小中学校連携」へ。目先を変えたように見えなくもない

▼「問題行動・不登校調査」は「暴力行為」「いじめ」「不登校」などに大別しているが、人間の行動がそう明確に分けられるものか。思いもかけぬ行動になって現れるのが少年期でもある。中学校の不登校要因3位が「いじめを除く友人関係をめぐる問題」

▼「いじめ」について、国の定義替えで前年度は大幅に増えたが、今回は400件近く減少と県教委。代わりに不登校が増えたというわけでもあるまいが、今年の対策も的外れにならなければ幸い。