2018年10月22日(月)

▼8月に県立高校の部活動指導教諭が女子部員へのわいせつ行為で処分を受けたが、今度は県立津商業高校の女子駅伝チーム監督がエスカレーターで、別の女子高生のスカートの中をスマートフォンで動画撮影しようとし県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕された

▼前者は55歳。「個別指導」という典型的なわいせつ目的の理由づけで、自宅で体などを触った。後者は54歳。「酒に酔っていたので覚えていない」と、これも酒の上という定番の言い訳。ベテランの部活動指導教諭らのおそらく初めての〝発覚〟が問題の深刻さを浮き彫りにしている

▼体罰に象徴される部活動の「厳しい指導」とわいせつ行為、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)は表裏をなすと言われる。敬遠する教師も多い部活動に熱心に取り組む姿は中身を周囲から見えにくくし、口を挟みにくい〝聖域〟にしがちで、実績を上げればなおさらだ。はるか昔の中高生時代に目撃した光景が時を経て目の当たりにする心地がする

▼県教委の「部活動ガイドライン」はそんなことなど気づかぬ風だ。「体罰等の根絶」の項でセクハラに言及しているから関係は承知なのだろうが、許されないとしているのはセクハラと「判断される発言や行為等」。「誤解されないように」と言っているようで、わいせつ行為を含め禁じる項目はない

▼意図的に仕掛ける教師がいるのは明らかだ。自覚に頼るだけでなく、外からの目が行き届く体制を作らねば生徒は守れない。毎回毎回「県民の信頼を著しく損ない」の反省を繰り返している場合ではない。