KYB免震装置データ改ざん 装置はすべて三重で生産 設置施設、対応に不満

【免震装置を製造するカヤバシステムマシナリー三重工場=津市雲出長常町で】

油圧機器メーカーのKYBが免震装置と制震装置の性能検査記録データを改ざんした問題。装置は全て子会社のカヤバシステムマシナリー三重工場(三重県津市雲出長常町)が生産している。半世紀前からの操業で「市を代表する企業」(市企業誘致課)だが、改ざんの公表から一夜明けた17日、工場は「何も答えられない」との一点張りだった。不適合の装置が見つかった県内の施設などは、同社の対応に不満をあらわにした。

「同社の対応は遺憾。非常に困惑している」。県土整備部営繕課の担当者は取材に対し、同社の印象をそう語った。データ改ざんの詳細や今後の対応などを電話で問い合わせているが、同社は「分からない」「知らない」としか答えないという。

同じく「安全性について問い合わせたが、回答がない」と語るのは、伊賀市管財課の職員。同社の免震装置が建設中の市役所新庁舎に設置されている。データ改ざんのあった装置ではないというが、職員は「予定通り来年1月に開庁できるか不安だ」とこぼした。

同社によると、免震装置と制震装置の生産は平成19年1月、岐阜県内の生産拠点から津市の伊倉津工業団地にある三重工場に移管された。製造から検査までを工場内で一貫し、月に約120基の装置を製造。国内だけでなく台湾にも輸出されているという。

三重工場には、制震ダンパーがガラス張りの壁面に設置されている。記者が4年ほど前に工場を訪れた際、担当者が「ここのダンパーは、あえて外から見えるように設置している」と語り、装置の効果を自慢げに紹介していた姿が印象的だった。

しかし、17日に取材を申し入れると、工場の担当者は門扉越しに「こちらでは何も答えないようにと言われている」と話し、親会社の電話番号を書いた紙を門扉の隙間から記者に差し出した。敷地内に人影はほとんどなく、ひっそりとした雰囲気だった。