KYB免震装置、三重県内で14件 改ざん、8件が公共施設 シャープ亀山工場も

【不適合品の免震用オイルダンパー=三重県伊勢庁舎で】

油圧機器メーカーのKYBが地震の揺れを抑える装置の性能検査記録データを改ざんしていた問題で、三重県は17日、県内で国交省の基準などに適合しない装置が使用された14件のうち、8件が公共施設だったと発表した。県の施設では伊勢庁舎と四日市北署が該当。病院や市役所など、6市町の公共施設も含まれている。液晶テレビを生産するシャープ亀山工場でも、これらと同型の装置が使われていることが判明。県は公共施設の免震装置を取り換えるよう求める。

県によると、不適合の装置が設置された公共施設は、県有2施設のほかに、木曽岬町複合施設▽桑名市役所▽川越町役場▽鈴鹿市新消防庁舎▽新伊勢市立伊勢総合病院▽紀南病院(御浜町)―の計8施設。いずれも地下に同社の免震ダンパーを設置している。

県は公共施設のほかに、医療・福祉施設や生産施設、データセンターなど、県内にある民間の6施設に設置されている装置が該当すると公表した。「国交省から詳細を公表しないよう指示を受けている」などとして、6施設の名称を明らかにしていない。

また、シャープはこれらの6施設とは別に、シャープ亀山工場でもデータが改ざんされた免震装置と同型の計389基が使用されていることを明らかにした。安全上の問題はないとして、通常通り操業している。KYBなどに対して早期の点検を依頼する方針。

伊勢庁舎は延べ約8300平方メートルの4階建て。地下に設置された8基の免震ダンパー全てに改ざんの疑いがあるという。四日市北署は今年1月に完成し、9月に供用が始まった。延べ約4600平方メートルの5階建てで、地下に12基の免震ダンパーを設けている。

伊勢総合病院は先月28日に完成したばかり。来年1月の開院を前に問題が発覚する事態となった。改ざんの疑いがある20基の免震ダンパーは地下に設置されているといい、総務課の担当者は「開院には支障がないようにしたい」と話した。

県はデータ改ざんの状況や安全性などについて、同社から詳細な説明を求める方針。同社に電話で連絡を取った県土整備部営繕課の担当者は「現場は混乱しているようで十分な返答を得られなかった。知らない、分からないの一点張りで困っている」と話した。