「重要性の認識欠いた」 三重県議会常任委 教育長、障害者雇用で陳謝

【障害者雇用率の算定誤りを陳謝する廣田教育長=三重県議会議事堂で】

三重県議会9月定例月会議は10日、総務地域連携、環境生活農林水産、教育警察の各常任委員会と分科会を開いた。県教委が障害者雇用率を水増しした問題で、廣田恵子教育長は教育警察常任委で「障害者を率先して雇用すべき行政機関として、不適切な事務を行ってきたことは障害者雇用の重要性の認識に欠けていた」と陳謝。法定雇用率(2・4%)を達成するには今年6月1日現在で26人の障害者が不足しているとして、12月1日に非常勤の業務補助職員と実習助手を計20人採用する考えを示した。

◆短期的な雇用を懸念 障害者採用で

〈教育警察=木津直樹委員長(8人)〉

県教委が障害者雇用率の達成に向けて12月に非常勤で一挙に障害者を採用することに対し、委員からは短期的な雇用を懸念する声が上がった。木平芳定副教育長は「継続して計画的な人数を運用したい」と答弁した。

【障害者雇用】
木平副教育長は非常勤の業務補助職員を12月1日に18人採用するため、今月12日からハローワークで募集すると説明。非常勤の実習助手は特別支援学校の卒業者から募る考えを示した。

舟橋裕幸委員(新政みえ、6期、津市選出)は「大慌てで(障害者を)採用しようとするのは分かるが、配属先できちんと収まるのか。(法定雇用率の達成)以降は採用なしという事態にならないか」と尋ねた。

木平副教育長は「採用を始めた際には事務局での勤務から始め、県立学校や小中学校にも働く場を広げてきた。今回は県立学校や小中学校で勤務してほしいと考えている。来年4月以降も18人の採用で終わりにはしない」と述べた。

中森博文委員(自民党県議団、4期、名張市)は「特別支援学校の保護者はショックを受けている。生徒が希望を持てる対策を講じてほしい」と要望。

木平副教育長は「生徒一人一人が自己実現に取り組む中、申し訳ない。まだ対応していないが、早急に関係機関に連絡し、これからの考え方を説明したい」と答えた。

◆「意図的な水増し」否定 県、事務ミスと説明

〈総務地域連携=服部富男委員長(8人)〉

県が障害者雇用率の算定を誤った問題を巡り、委員から「意図的な水増し」の可能性について尋ねる声も上がったが、嶋田宜浩総務部長は「あくまで事務のミス。決して意図的ではない」と否定した。

【算定誤り】
嶋田部長は「当初は障害者雇用率に誤りはないと確認していたが、さかのぼって調査して判明した」と説明。「県民の信頼を裏切ったことを重く受け止めている」などと陳謝した。

倉本崇弘委員(大志、1期、桑名市・桑名郡選出)は「(障害者手帳を確認する必要性を)少しは感じていたが、障害者雇用率を上げなければと考えて指摘しなかったようなケースはあるのか」と尋ねた。

嶋田部長は「国などでは水増しと言われるが、県の場合はあくまで事務作業のミス。障害者が手帳を持ち続けているという)担当者の思い込みなどが誤りの原因だった」と説明した。

【再発防止策】
奥野英介委員(鷹山、3期、伊勢市)は県が年度内の策定を目指す不適切な事務処理の再発防止策について「過去に同様のハンドブックをもらい、長々と説明を聞いた。身に付いていないのでは」と指摘した。

嶋田部長は「これまでも再発防止のチームを作って取り組みを進めてきたので大丈夫だろうと思っていたが、結果として不適切な事務処理が頻発している。外部の視点も入れて新たな物を作る」と説明した。

◆県産材の生産量、目標を下方修正 森林計画改定の中間案

〈環境生活農林水産=廣耕太郎委員長(8人)〉

県農林水産部は平成24年に策定した「三重の森林づくり基本計画」の改定に向けた中間案で、県産材の素材生産量を平成37年度の目標値49万8千平方メートルから40年度は43万平方メートルに下方修正すると明かした。

【県産材利用】
県は平成29年度の県産材の素材生産量は前年を7千平方メートル上回る32万3千平方メートルだったが、年度目標の38万7千平方メートルを大幅に下回ったと報告。製材用の生産が前年度より増加した一方、木質バイオマス燃料用の生産が減ったと説明した。

西場信行委員(自民党、9期、多気郡)は「県産材の生産目標を下げるべきではない」と主張。県当局は「大口の需要が減った。37年度の目標のまま維持するのは現状とかけ離れてしまう」と理解を求めた。

【みえ森と緑の県民税】
県が県民1人当たり年間千円を徴収している「みえ森と緑の県民税」(森林税)を巡り、藤田宜三委員(新政みえ、3期、鈴鹿市)は「県の森林税は、国の森林環境譲与税(仮称)や県予算との境界が分かりにくい」と指摘した。

岡村昌和農林水産部長は「災害の復旧は治山事業。森林環境譲与税は市町の条件不利地の間伐事業費などに充当する。県の森林税はそれ以外の災害防止のための事業に使う」と説明。「適切な財政措置をするため、市町とガイドラインを作って整理する」と述べた。