2018年9月24日(月)

▼伊勢、鳥羽志摩、三重南紀3JAの合併予備契約調印式を終えてJA伊勢の加藤宏代表理事組合長は「それぞれの強みを生かし、販売力の強化につなげたい」。その一つ、JA三重南紀の本店所在地、御浜町で25日告示される町長選を前に、本紙「町の課題」は町の主力産業で、同JAの販売額の91%を占めるかんきつ類の前途多難を指摘する

▼担い手不足と、それに伴う生産量減少、農協離れ、直売所整備後の運営者辞退―農協を取り巻く環境の厳しさはどこも同じだ。JA伊勢が紀北農協を救済合併したのは平成17年。JA三重中央会は当時、県内農協を合併する単一農協構想を推進。どうせ一つになると渋るJA伊勢を説得したが、単一構想は画餅となり、その不信感が鳥羽志摩との合併を大きく遅らせたと言われる

▼県1構想はその後県3となり、現在は県5に後退したが、合併の必要性は切迫している。4月には伊賀北部と伊賀南部が合併し、松阪、三重中央、一志東部の3JAも秒読み。JA多気郡も参加の公算

▼三重中央と一志東部は組合長争奪で十数年前頓挫している。合意すれば県5構想は鈴鹿と津安芸を残すだけだが、こちらも本店所在地を巡り破局した。県庁所在地を理由に津安芸が本店に固執。業績で天と地ほど違う鈴鹿がばかばかしいと席を立った

▼人事、メンツが合併に影を落とすのが農協だが、県5で済むまいというのは共通認識だ。JAみえきたと津安芸は本店新築に乗り出す。平成の大合併前、吸収される町村で住民無視の庁舎建設ラッシュが始まった。似ている気がしなくもない。