2018年9月14日(金)

▼県教委の障害者雇用率水増し問題で、鈴木英敬知事が「子どもたちにルールの順守を説く県教委でこのような問題があったことは痛恨の極み」。当然すぎる認識がまぶしいほどの輝きを感じさせたのは、県教委の闇があまりに深いせいだろう

▼「原因究明や再発防止の姿勢が問われる中、調査方法の案も出さないのなら信頼は回復できないのでは」という知事の指摘は県民の大多数を代表している。さかのぼって調査をしない県教委の方針に知事が異を唱えたのは越境入学問題に続き、これで2回目だ。問題は変われど、指摘される意味はいつも同じだ

▼ルール破りを徹底究明せず、ルールを変えることで〝合法〟にしてしまった県教委の事実上の「再発防止策」を一定評価したことが、今回「裏切られた気持ちもあるが、それ以上に言葉を信じた私の甘さもあったと後悔している」と、ほぞをかむ結果になっているということだろう

▼廣田恵子教育長は「県民の信頼を大きく裏切る行為。重く受け止め、深くおわびする」といつもの謝罪の言葉を述べ「意図的ではない」。障害者手帳返納者や退職者もカウントしたことを、調べもせず意図的でないと断定できるのだ

▼「同質性の高い組織で緩みや甘えがあった」と推察する知事の言葉は柔らかい。公共団体でまかり通る「緩みや甘え」は違法状態と無責任がはびこり、見て見ぬ振りをする体質を意味している。カラ出張はまさしくそうだった。越境入学も、の疑いは濃い

▼県立9高校で免許のない教員が授業していた時も含め、釈明は今回の水増し問題そっくりなのである。