「御船祭」の櫂を製作 紀宝町 三重県内唯一の川船大工、谷上さん

【櫂の製作に取り組む谷上さん=紀宝町北桧杖で】

【南牟婁郡】熊野速玉大社(和歌山県新宮市)の例大祭「御船祭」が10月16日に執り行われる。三重県紀宝町北桧杖の谷上嘉一さん(76)宅の作業場では、御船祭の早船競漕(きょうそう)で使用する、船を漕ぐための櫂(かい)の製作が進められている。

谷上さんは県内唯一の川船大工。これまで40年以上にわたり、祭りで使用する櫂や船を手掛けてきた。

櫂は、シイの木を使用する。シイの木はよくしなり、カシの木などと比べると軽いという。谷上さんは「どういう形にすれば船が早く進むか考えながら作っている」と話し、手作業で一つずつ削り、形を整え1本1・9メートルの櫂に仕上げていく。今月末までに百本を製作する予定という。

御船祭は、平成28年に国の重要無形民俗文化財の指定を受けた同大社の例大祭「速玉祭」で執り行われている神事の一つ。全長9メートル、幅1・8メートルの9隻の船が、熊野川の上流にある御船島を3周して順位を競う。

谷上さんは過去に出場しており、優勝経験がある。谷上さんは「櫂を作ることで少しでもお手伝いができたら。一人でも多くの人に祭りに参加してもらい、地域に活気がでるといい」と話していた。