2018年7月30日(月)

▼「三重県方式」の一翼を担う連合三重の幹部らも出席した―と、本紙が地域政党「三重民主連合」の設立総会を報じた。旧民進党県連代表で、当初予定の地域政党名「三重新政の会」の会長に就くはずだった芝博一参院議員は必ず口にした「三重県方式」だが、中川正春衆院議員への変更とともに、幹部らが報道で語るのを見ない

▼三重県方式は政党と県議会会派新政みえ、連合の三者が一体となって選挙を戦う方式だが、元はと言えば自民党の対立軸を作ろうという連合中央の反自民非共産の結集という呼びかけに応じて、連合三重が平成元年の参院選に無名の井上哲夫氏を擁立したことに始まる。公示数日前の出馬表明ながら現職を大差で下した。以来連戦連勝、不敗伝説を築いた

▼しかし、民主党政権誕生をピークに、勢いは凋落した。前々回の参院選、知事選と連敗。藤田大助氏の議席復活もならなかった。前回の参院選は勝利したが、岡田元副総理の背水の陣が話題となった。労組組織率は長期低落傾向。電機連合の調査で、昨年衆院選の組合員の投票先は比例区、小選挙区とも一位が自民党という衝撃的結果も報じられた。電機連合は連合三重会長の出身労組だ

▼連合主導の選挙戦略が問われていることは間違いない。中川会長は「野党再結集のモデルに」と格調高いが、岡田元副総理は「国レベルでは野党が分断されているが、地方では一つになって選挙を戦いたい」。労組に頼らない選挙はかつての持論。「三重新政の会」からの名称変更で、非共産も含めて、新しい革袋を模索していくつもりかもしれない。